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(32・完)からめ手側の天守閣

優美な印象一変 迫力の軍事機能
東北側のからめ手から見上げると、強固なとりでへと印象は一変する
 表門や大手門から本丸に上って正面に見える天守閣は、花頭窓や破風(はふ)屋根、金箔(きんぱく)の飾り金具など華麗な装飾で彩られている。貴婦人のように優美で上品な印象を与える半面、迫力とスケールの面では姫路城などの天守閣と比べると、見劣りもする。
 ところが、「からめ手」と呼ばれる反対側の黒門から上って望む姿は、たけだけしく恐ろしい要塞(ようさい)へと印象は一変する。そそり立つ石垣の上に続櫓(つづきやぐら)や多聞櫓が重層的に連なり、白壁には「鉄砲狭間(ざま)」と呼ばれる銃眼が数多く設けられ、攻め手を狙い打てるようになっている。城内で最も強固な軍事施設としての迫力が、見る者を圧倒する。
 城郭研究者の中井均さんによると、彦根城の天守閣は、正面側が平和な世の統治のシンボルとしての役割を担っているのに対し、裏側は臨戦態勢下の四百年前に築かれた「戦国の城」の機能があった。相反する顔を併せ持つのが特徴だという。
 三層の最上部に上ると、はるか琵琶湖の対岸に連なる比良の山並みや城下町が一望できる。
終わり
【2007年10月16日掲載】