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町家耐震 独自に診断法

耐震改修費助成事業で補助率をアップ
 京都市の桝本頼兼市長は十八日の定例会見で、減少する市内の京町家を保全するため、町家の特徴に合わせた独自の耐震診断手法を全国で初めて開発し、市が認定する専門の診断士を派遣する制度を来年度に創設する方針を明らかにした。同時に耐震改修費助成事業で町家に限定して補助率をアップし、併せて、町家が並ぶ京のまちなかの景観保全につなげる考えを示した。
 市は来年度に導入する方針の新景観政策で、京町家の保全を景観形成の「核」と位置づけている。しかし、市の調査によると、一九九八年度からの七年間で市内中心部(中京、下京区の一部)の町家は13%も減った。現在は、約五千九百軒が残っている。
 町家の保全には、耐震補強も求められているが、町家は基礎や壁に筋交いがないなど在来建築物と異なり、地震の揺れも建物自体のしなりで吸収する構造になっている。建築基準法の施行前の五〇年以前に建てられたものが多いため、現行法に基づく一般民家の耐震診断手法では正確な診断ができなかった。
 このため、市は二〇〇三年度に独自の耐震診断手法の開発を始めた。高層ビルがどこまで揺れを吸収できるかを計算する手法を応用し、日本建築構造技術者協会(東京都)にも検証してもらい、独自の診断手法をつくった。「安全」「条件付き安全」「危険」の三段階で評価する。
 新手法による調査は、市が独自に認定する「京町家耐震診断士」が行う。通常約十六万円かかる費用は市が負担し、利用者は交通費相当の五千円を負担する。また、一般の木造住宅を対象にした耐震改修費助成は現在、一戸当たり六十万円が上限だが、町家は一般住宅以上に改修費が必要なため、九十万円に引き上げる。
 市は今春から診断士を養成し、耐震改修費助成を含め二〇〇七年度後半から導入する方針。新年度予算案に助成費用約八百万円を盛り込む。診断士は一級建築士らを対象に公募し、約五十人を確保する予定。
 桝本市長は「貴重な景観資源である町家に安心して住み続け、町家の暮らし、文化が守り伝えられるような制度としたい」と述べた。
【2007年1月19日掲載】