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規制強化 賛成8割超

本社世論調査 概要「知らない」半数
新景観政策の賛否
 京都市が新年度の早い時期に導入を目指している新景観政策について、京都新聞社は市民を対象に電話世論調査を行い、十四日に結果をまとめた。京都らしい景観について九割以上の人が守る必要があると答え、新政策導入に伴う建築物の高さや屋外広告物の規制強化も八割以上が賛成、七割以上が自ら規制を受け入れると回答した。市民の多数が賛成する結果となったが、政策の概要について知っている人は半数程度しかなく、市には今後、市民に対する十分な説明が求められそうだ。

「経済沈滞」 反対意見も

 調査は九、十、十一日の三日間、二十歳以上の京都市民を対象に実施した。
 新景観政策の導入によって、市街地の三割で高さ規制が強まり、デザイン基準見直しや屋上広告物の全面禁止など屋外広告物規制が強化される。これに「賛成」は38・2%で、「どちらかといえば賛成」の44・8%を含めると賛成が83%に達した。「反対」「どちらかといえば反対」は15・5%にとどまった。
 また、「居住地が規制された場合、受け入れるか」との問いには、景観保全に協力する姿勢を示す「受け入れる」が72・5%。「受け入れられない」は18・8%だった。
 ただ、京都市が昨年十一月に発表した新景観政策の素案や、今年一月末の修正案の概要について、「よく知っている」は8%にとどまり、「ある程度知っている」の40・6%を含めても半数に満たない。逆に、「知らない」の14・3%と「聞いたことはある」の36・9%を合わせると五割を超え、新政策が十分に周知されていない現状が明らかになった。
 規制に反対と答えた理由でも「経済活動が沈滞する」(19・9%)、「自由な開発行為が望ましい」(15・9%)などが目立ち、市は今後、新政策の周知を図るとともに、こうした反対意見や不安の声に対し、十分な説明を求められそうだ。
 一方、規制強化に「賛成」と回答した人を支持政党別にみると、自民党や民主党支持者の四割以上、共産党支持者の六割以上が積極的な賛意を示した。

≪解説≫市民に説明徹底を

 京都市の新景観政策についての本社世論調査で、京都らしい景観を守る必要があると思っている市民が九割を超えた。これは予想された結果といえるが、注目すべきは建築物の高さ抑制など規制強化に賛成する人が八割以上あり、しかも、自ら規制を受け入れる意思を持つ市民が七割を超えていることだ。
 高さ規制は財産権を含め私権制限につながる。この間、住宅関連業界やマンション住民から強い反発があり、市議会からも「異論」が出た。しかし、多くの市民が一定の「痛み」を受け入れてでも、古都・京都の景観を守っていきたいとの思いが強くうかがえる結果となり、抜本的に景観施策を見直す新景観政策に賛意を示したと取れる。
 ただ、規制案の内容を知らない人も多い。昨年十一月に新政策の素案が公表され、その後、デザイン基準を中心に規制緩和する修正案が出されたが、「知らない」と「聞いたことはある」を合わせた回答が半数を超えた。新政策の是非を判断するには、自分の住む地域の規制がどう変わるのか、知ることが大切だ。市には、これまで以上に周知の強化が求められる。
 また、規制で「地元経済が沈滞する」など根強い不安や懸念があることも調査で分かった。新政策によって百年後の京都像を市がはっきり提示できていないことも背景にあるといえよう。規制強化に伴う痛みを緩和する助成制度の確立や、新政策の導入でどうスカイラインの整う町並みを復活させるかなどの課題に、市は答えなければならない。
 新景観政策に関する議論は、関連議案が提出される二十日開会の二月定例市議会でヤマ場を迎える。四月に市議選を控えているが、政治的な思惑に左右されず、この世論調査結果も材料の一つにして、実りある審議が行われることを期待したい。
【2007年2月15日掲載】

▽調査結果(数字は%)

 問1 「京都らしい」景観を守る必要があると思いますか。 
 (1)必要がある      53・6 
 (2)ある程度必要がある  42・3 
 (3)必要ない        2・6 
 (4)分からない・無回答   1・5 
 問2 京都の市街地景観の現状について、どんな印象を
     お持ちですか。 
 (1)よくなっている     7・3 
 (2)悪くなっている    39・5 
 (3)どちらともいえない  50・8 
 (4)分からない・無回答   2・4 
 問3 建物の高さや色や形などのデザイン、屋外広告物
     の規制を強化することを柱にした京都市の新景観
     政策案の概要について、ご存知ですか。 
 (1)よく知っている     8・0 
 (2)ある程度知っている  40・6 
 (3)聞いたことはある   36・9 
 (4)知らない       14・3 
 (5)分からない・無回答   0・2 
 問4 建物の高さや色や形などのデザイン、屋外広告物
     の規制を強化することに賛成ですか、反対ですか。 
 (1)賛成         38・2 
 (2)どちらかといえば賛成 44・8 
 (3)反対          4・9 
 (4)どちらかといえば反対 10・6 
 (5)分からない・無回答   1・5 
 問5 (問4で「反対」「どちらかといえば反対」と答えた人
     に聞く)その理由は何でしょうか。 
 (1)自由な開発行為が望ましい 
               15・9 
 (2)不動産の価値が下がる  3・0 
 (3)規制に見合う補償がない 8・5 
 (4)京都市の方針が唐突すぎて説明不足 
               12・9 
 (5)過去からの景観政策に疑問がある 
                6・9 
 (6)地元の経済活動が沈滞する 
               19・9 
 (7)その他        29・1 
 (8)分からない・無回答   3・8 
 問6 もし、あなたの居住地が規制された場合、規制を
     受け入れますか。 
 (1)受け入れる      72・5 
 (2)受け入れられない   18・8 
 (3)分からない・無回答   8・7 
 問7 あなたが一番残したいと思う京都の景観は次の
     どれですか。 
 (1)東山、北山、西山などの眺望 
               35・8 
 (2)社寺、名勝、庭園   33・4 
 (3)町家、路地      19・1

 (4)明治時代の近代建築物  3・9 
 (5)京都タワー、京都駅ビルなどのランドマーク 
                2・1 
 (6)その他         3・4 
 (7)分からない・無回答   2・3