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インデックス

本社世論調査 保全への意識高く

<認識> 現状に4割危機感
 「『京都らしい』景観を守る必要があると思うか」について、「ある」が53・6%で、これに「ある程度必要」の42・3%を加えると95・9%になり、ほとんどの市民が京都の景観保全が必要と感じていた。ただ、「必要がある」との回答を地域別にみると、北・左京区では64・5%と全体を10ポイント以上も上回っているのに対し、南・山科区では44・7%とやや低かった。すでに厳しい高さ規制がかかる左京などと、比較的規制が緩い南区などで市民の意識が異なることもうかがえる。
 市街地景観の現状については、「よくなっている」は7・3%で、逆に「悪くなっている」が39・5%に上った。特に「マンション急増で、景観破壊が進んでいる」と指摘されている上京、中京など中心区では50・9%と平均を大きく上回り、危機感を持っている人が多いことが分かった。
 ただ、「どちらともいえない」も50・8%と半数以上を占め、悪くなっているのかどうか判断できない人も多い。
 男女別では、「よくなっている」が男性は2・5%で女性は11・6%、逆に「悪くなっている」は男性42・8%に対し、女性は36・6%と、男女で現状認識に違いが出ている。

<認知度> 市民へ浸透不十分

 新景観政策の概要についての認知度では、「よく知っている」は8%、「ある程度知っている」は40・6%で、合わせて半数近くが何らかの形で知っていることが分かった。しかし、「聞いたことはある」が36・9%、「知らない」も14・3%あり、必ずしも市民に十分浸透しているとはいえないことが裏付けられた。
 地域別では、上京、中京、下京、東山区の市中心部で「よく」と「ある程度」を合わせると62%に上り、いずれも50%以下の他の地域に比べ突出しており、新景観政策に対する関心の高さがうかがえる。
 「よく」と「ある程度」の合計を年代別でみると、二十代は22・4%、三十代も36%と認知度が低い。しかし、四十代以上はいずれも50%を超え、最も高い六十代は66・2%に達した。
 「知らない」は二十代で三割近くあった。男女別では、男性が56・3%、女性が41・9%で男性の認知度が高かった。

<賛否> 唐突、説明不足の声も 市中心部、やや反対多く

 建築物の高さ、デザインや屋外広告物の規制強化などについては、「賛成」が38・2%、「どちらかといえば賛成」も44・8%で、両方合わせると83%が賛意を示した。逆に「反対」は4・9%、「どちらかといえば反対」は10・6%にとどまった。
 「どちらかといえば」を含めた賛否を地域別でみると、規制がより厳しくなる中心部で他の地域に比べ賛成がやや低く、逆に反対がやや多くなっているのが特徴。年代別では二十代の賛成が七割台だったほかは、すべて八割を超えた。
 支持政党別に「賛成」だけをみると、共産党支持者が62・8%と突出して多い。自民党と民主党支持者はいずれも四割台で、支持政党なしが34・2%、公明党支持者は14・8%だった。
 ただ、「どちらかといえば」を含めた賛成は、公明党支持者が七割台以外は、八割以上となっている。
 「反対」「どちらかといえば反対」の理由では「地元の経済活動が沈滞する」が19・9%と最も多かった。次いで「自由な開発行為が望ましい」15・9%、「京都市の方針が唐突すぎて説明不足」12・9%などが目立った。
 また、自分の居住地が規制された場合に「受け入れる」と答えた人は72・5%、「受け入れられない」は18・8%で、景観や眺望を守るために協力していこうという人が多いことが分かった。

<眺望> 景勝地に愛着 30代は町家・路地

 「一番残したいと思う京都の景観」については、「東山、北山、西山などの眺望」が35・8%、「社寺、名勝、庭園」が33・4%とほぼ拮抗(きっこう)し、観光客にも根強い人気がある京都の代表的な景観の保存を望む人が多かった。京都らしさの象徴ともいえる「町家、路地」も19・1%に上った。「明治時代の近代建築物」や「京都タワー、京都駅ビルなどのランドマーク」といった近現代建築は、低率にとどまった。
 男女別でみると、男性は「東山など」が35%と最も多かったが、女性は「社寺など」が36・8%でトップだった。
 年代別では、「社寺など」が最多だったのは二十代と四十代。五十代以上は、いずれも「東山など」がトップだった。
 特に七十代以上は54・3%と半数を超えるなど、年齢が高くなるほど眺望を重視する人が多かった。
 その中で、三十代だけは「町家、路地」が31・7%で最も多かったのが目立った。
【2007年2月15日掲載】