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世論調査 賛成多数も波高し

高い市民意識を象徴
 京都市の新景観政策に対し、京都新聞社が行った世論調査で「どちらかといえば」を含めると市民の83%が賛成という結果が出た。新政策を推進する市は「勇気づけられる」と歓迎したが、市議会は「少数意見のフォローも大切だ」などと慎重な姿勢を示した。不動産や屋外広告の業界は「半数以上が新政策の内容を具体的に知らない」と、市民の賛意に懐疑的−。

京都市「勇気に」 市議会「驚き」

 京都市の桝本頼兼市長は「勇気づけられる」と、あらためて新政策実現に意欲を見せた。二月議会で審議を控えた市議からは、賛成の多さに驚きつつも、「まだ、見極めが必要」など慎重に議論していく姿勢を示した。
 桝本市長は「多くの市民が景観の現状を憂い、少しでも良くするためには規制を受け入れる意思を示された。大変勇気づけられた」と受け止め、「京都の優れた景観を何としても次世代へ引き継げるよう市会の議論を踏まえ、全力で取り組む」と決意を語った。
 与党最大会派、自民党の北川明市議は「七割が規制を受け入れるという回答には驚いた。ただ、どこまで内容を知っているかが気になる。見極めが必要だ」と述べ、民主・都みらいの小林昭朗市議も「規制受け入れ七割は予想を超えて衝撃的。本当に市民の意識だとしたら結果は重い」と話した。公明党の大道義知市議は「賛成が多いといって強引に進めていいわけではない。少数意見のフォローもしなければならない」との反応を示しており、与党会派では市民の動向を慎重に見定めていくとみられる。
 一方、野党共産党の井坂博文市議は「これだけ賛成が多いのは意外」と驚きつつ、「われわれが市長選などで景観問題を長年訴え続けてきた結果で、(条例賛成は)前向きに考えていく」と語った。

不動産関係者ら 「十分な議論必要」

 不動産や屋外広告業界の関係者らは、世論調査結果の中で、特に市民への周知度を重視して「半数以上が新政策の内容を具体的に知らない状況では、市民が賛成とは言えない」などとし、市に対して引き続き新政策の見直しを求めていく姿勢を示した。
 京都府宅地建物取引業協会の川島健太郎副会長は「わたしたちも景観を守りたい思いは同じだ。ただ、世論調査結果で、内容が市民に十分に伝わっていない数字が出ている。これでは市民が賛成とはいえない。まだ一年ぐらいは議論が必要だ」と訴えた。また、府広告美術協同組合の上出晧一郎理事長も「広告で景観を汚すつもりはない。『市の方針が唐突』や『経済の停滞が心配』という意見をもっと重視すべきだ」と語気を強めた。
 資産価値への影響を懸念するマンション住民らでつくる「暮らしやすい京都の住環境を考える会」副理事長の白浜徹朗弁護士は「景観が『悪くなった』と答えた人が半数にも達していない。それなのに、なぜ厳しい規制が必要なのか。根拠が揺らいだ」と指摘した。
 一方、新景観政策の早期実現を求めている「まちづくり市民会議」事務局代表の中島晃弁護士は「規制を受け入れると答えた市民が多いのは、今の規制では景観が守れないと考えているからで、賛成の多さは市民の見識の高さを示している」と分析した。
【2007年2月15日掲載】