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ブーム陰り はや踊り場

京の路線価鈍化 景気減速、新景観政策も影響…
河原町通沿いの空きビル。不動産ブームが過ぎ去り、京都市中心部でも路線価の伸び率の鈍化が目立つ(京都市中京区)
 大阪国税局が一日公表した京都府内の二〇〇八年分路線価は、昨年に比べ伸び率の鈍化が目立った。各税務署の最高路線価は府北部を除き前年比プラスを維持したが、路線価は一月一日が基準で、今年に入っての不動産市況は一段と冷え込み、昨年までの不動産ブームに陰りが出ている。京都市では新景観政策などを背景として市中心部でも一部で実勢価格が値下がりしている。府内の路線価は〇五年から順次上昇に転じてきたが、景気減速とともに早くも踊り場を迎えた。
 昨秋売りに出た京都市中京区の河原町通沿いにあるテナントビル。所有者の当初の希望価格は一坪(三・三平方メートル)二千万円だったが、今年に入って千五百万円に引き下げた。それでもなお買い手がつかないという。
 仲介業者(大阪市)は、昨年九月に始まった京都市の新景観政策を要因に挙げ「投資家は規制強化を嫌うため、京都の不動産市況は全国でも特に落ち込みが激しい。四条烏丸周辺など一部を除き、いまは買い手がいない状態」と嘆く。
 米サブプライム住宅ローン問題の影響で金融機関の不動産に対する見方も厳しさを増している。不動産に詳しい野村会計事務所(京都市中京区)の野村正雄税理士は、金融機関のコンプライアンス(法令順守)強化の動きを踏まえ「今後は景観政策に違反する既存不適格物件向けの融資審査がさらに厳しくなる可能性がある」と指摘する。
 不動産情報の生駒データサービスシステム(東京都)によると、京都市中心部のオフィス需要も弱含み。三月の空室率は昨年十二月に比べ0・8ポイント上昇の7・3%で、昨年に改定された賃貸料の平均は前年比0・9%低下した。不動産仲介アールエスティ(京都市下京区)の天野博社長は「家賃収入が伸びないのに地価上昇が続いてきたことへの警戒感が広がっている」と分析する。
【2008年7月1日掲載】