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「現在地」案に異論続出

京都市役所建て替え
老朽化する京都市役所庁舎の整備方針を話し合う有識者の懇談会(京都市上京区)

 老朽化している京都市役所庁舎の整備方針を検討する懇談会が27日、上京区内で開かれ、市が示した事実上の「現在地整備」案に異論が相次いだ。南部地域への移転を主張する経済界代表委員が激しく反発し、財政難のなか200億円を超える事業費に対して実現性を疑問視する声が出るなど議論が紛糾した。

経済界  「市南部への移転を」
市民委員 「安価な耐震補強で」

 現庁舎は耐震強度や執務スペースが不足しているため、市は2008年11月に建て替えを含めた整備方針を検討する「市庁舎整備懇談会」を設置し、15年度までの整備を目指している。
 この日、市側が本庁舎を耐震補強し、北側に別庁舎を建設する2案▽現在地で全面建て替え▽移転新築−の4パターンを「提言案」として示したが、現地での整備を念頭に置いた案になった。
 この案に、渡部隆夫京都経済同友会前代表幹事が猛反発。同友会は以前から市南部の高度集積地区への移転を訴えており、「移転の方が安価だ。現在地ありきの案は(高度集積地区の振興を目指す)市の計画と矛盾している」と主張した。
 また、「(新庁舎の)高さ規制の緩和を考える」との表記を複数の委員が批判した。07年9月に導入した新景観政策を踏まえ、「市は率先して規制を守るべきではないのか」「スペース不足といって特別扱いするのか」など異論が出た。
 市は庁舎整備に備えて1990年から基金を積み立て、一時、残高は100億円を超えたが、財政難による一般会計への貸し出しで、3億円(昨年9月末)しか残っていない。案では170億〜250億円の事業費を示したが、市民公募委員が「お金がない中、主婦感覚からすれば、安価な耐震補強でいい」との提案もあった。
 座長の門内輝行京都大教授は「各委員は次回までに修正案を市に提出してほしい」と要請した。市は3月中に最終提言をまとめたいとしているが、大幅に修正される可能性もある。

【2010年1月28日掲載】