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景観と機能 両立が鍵

新・京都会館 高さネック 規制は15メートル
 京都市が2011年度に基本設計に着手する京都会館(京都市左京区岡崎)の改修で、高さ規制への対応が議論になっている。現建物は27・5メートルだが、新景観政策に従えば15メートルが限度となる。オペラなどを上演できる音楽ホールの建設は困難になるため、市は規制を緩和する方向だが、「景観に配慮し規制を守るべきだ」との声が出ている。

京都市は緩和検討

全面改修が計画されている京都会館。新景観政策の高さ規定との関係が論議を呼びそうだ(京都市左京区)

 同会館(地上3階)は1960年築で、当時は建築基準法で20メートル規制があったが、特例で認められた。同会館のある一帯の高さ規制は、73年に市が20メートルとし、さらに2007年9月導入の新景観政策で15メートルにまで下げた。

 しかし、改修に伴いネーミングライツ(命名権)を購入する予定のロームから、世界的なオペラなどを誘致できる舞台に機能拡充するよう求められている。場面転換をスムーズに行うため、セットをつり上げる舞台の高さが30メートル程度必要だが、現状の京都会館第1ホールは約13メートルしかない。

 市は「15メートルで改修するのは不可能」として規制緩和の検討に入り、公共施設の特例規定を適用▽周辺地権者の同意をとる「地区計画」で緩和▽岡崎地域全体の都市計画を変更する−などの手法を想定している。

 市民意見の中には、「世界レベルの芸術を見たい」との意見がある一方、「建物の高さや屋根の形状を変えないでほしい」との声も出ている。市議会からは「民間には我慢させ、市の施設は特例で緩和していいのか」との指摘もある。

 市は「舞台機能と景観のバランスをとり、市民に納得してもらえる結論を出したい」として、3月中にも方向性を決めるという。

 新景観政策導入後、建物の高さ規制を緩和したのは京都大医学部付属病院(左京区)だけで、音楽ホールの「公共性」をどうみるかが議論の焦点になりそうだ。

【2011年2月18日掲載】