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(5)大文字駅伝

―過熱する小学生― 重み増す指導者責任
大文字駅伝に向けて医師の事前検診を受ける児童(12月27日、京都市中京区の元生祥小)
■「走るほど伸びるが疲労は蓄積」
 年の瀬も迫った12月27日。予選を突破して2月の「京都市小学校大文字駅伝」に出場する約400人の児童が、京都市中京区の元生祥小を訪れた。心電図検査のあと、約100人が医師の触診を受け、異常がないかをチェックした。全国女子駅伝など未来のアスリートを夢見る小学生たちだ。
 2大会前から始まった選手の事前検診。小学校の校医がけが人の多さを府医師会に訴えたことがきっかけだった。当時の京都整形外科医会長だった石居志郎医師(75)は、ぐるぐると足にテーピングを巻かれた児童の写真を見てため息をつく。「小学生でこの状態は異常」。前回の検診では約1割が足やひざに痛みを抱えていたデータが残る。
 石居医師は、児童の痛みは多すぎる練習量が主要因と見ている。「発育途中の児童なら走るほど記録は伸びる。だが疲労は蓄積し、突然の故障につながる」。無理をさせないよう、大人が配慮することが重要だという。
 地元で何度も駅伝が開催される京都は小学生の意識も高まりやすい。昨年10月の府小学生陸上選手権の京都市予選。百メートル走や走り幅跳びなど6種目に約2800人が参加したが、八百メートル走だけが出場者約千人と飛び抜けて多かった。
 この大会の結果で大文字駅伝のメンバーを選ぶ小学校もある。京都市小学校スポーツ連盟の海原洋会長(59)=養徳小校長=は「大文字駅伝の影響力は大きいが、それだけを目指すのでは意味がない。もっと多くのスポーツに触れてほしい」と話す。結果を求める拙速な指導には警鐘を鳴らし、「タイムや順位が上がるだけの喜びではなく、ずっとスポーツが好きになるような指導をしてほしい」と呼び掛ける。
 昨年の大文字駅伝で優勝した深草小(伏見区)。5年は脚力づくり、6年から本格的な練習に入る2年計画で取り組む。練習時間は1時間程度、児童が違和感を訴えたらすぐに休ませている。
 指導する西村耕三教諭(49)は「走り方に変化がないか、注意深く観察することに一番神経を使う」と話す。昨年も足を痛めた選手が出場したいと訴えてきた。「君の力がないのではない。駅伝はチームで走るんだ」と苦労して説得した。
 毎年、レース本番の沿道にはビデオやカメラを手にした保護者が詰め掛ける。勝つことや速く走ることに目を奪われがちな小学生の大会では、指導者や保護者の責任がより重みを増している。

 大文字駅伝 京都市内の小学校の学校対抗で行われ今年で23回目。予選を勝ち抜いた50校が出場し、10区間16・495キロを6年生の男女5人ずつが走る。「児童の体力向上および学校教育の充実を図る」を開催趣旨に、京都国体の前年(1987年)から始まった。
【2009年1月6日掲載】