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兵庫2区・小林

その速さ、異次元 圧巻29人抜き
2区で区間新記録をマークした兵庫の小林祐梨子。4年連続の区間賞、29人抜きと2つの大会タイ記録を樹立した(2区3.4キロ付近)
 「区間新を出して当たり前の走りができなければ世界で通用しない。記録を狙っていた」。五輪を経験したトップランナーの走りが新春の都大路を席巻した。32位でたすきを受けた兵庫2区の小林祐梨子(豊田自動織機)は大会タイ記録となる29人抜き。3年前の自らのタイムを11秒縮める12分7秒の区間新記録もマークし、4年連続区間賞に輝いた。一回り成長した20歳の歯切れ良い口調が、いつも以上に弾んだ。
 「ここを世界の舞台と思い、周りの人を世界の強豪選手に見立てた」。力強いストライド走法がうなりを上げる。トップギアで飛び出すと、駆け引きも不要の速さで次々と他の選手を抜き去る。異次元のスピードに沿道もどよめいた。「大きな声援が背中を押してくれた」と笑顔で振り返った。
 2区は急激なアップダウンに加え、終盤は大きなカーブが続きコース取りの技術も求められる。だが須磨学園高時代にほぼ同じコースを走る全国高校駅伝で3年連続区間賞を奪うなど、区間の特徴を熟知していた。4年連続区間賞は、6−9回大会の7区で京都・石橋美穂(当時ワコール)が獲得して以来となった。
 2年前の豊田自動織機入社と同時に社内制度を利用して岡山大に進学。だが勤務実態のないことなどを理由に実業団選手として選手登録が許可されず、レースに出場できないつらい時期が続いた。走れないもどかしさに耐えながら地道に練習を重ね、昨夏の北京五輪出場を果たした。
 五輪の五千メートルでは、わずか0秒75差で決勝進出を逃した。この悔しさが胸に残り、「この駅伝でも1秒の大切さにこだわった」。
 8月の世界選手権ベルリン大会の五千メートル参加標準A記録はすでに突破している。世界に照準を絞ったヒロインは、「今年最初のレースでいい走りができたことは今後の弾みになる」と力強く言い切った。
【2009年1月12日掲載】