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若い力 京都一気

中高生強化 実を結ぶ
写真上:8区の250メートル付近で岡山・金子を抜き去り、トップに立つ京都の久馬萌(右)=京都市中京区丸太町通富小路西入ル 写真下:7区でトップとの差を縮めた京都・伊藤(第6中継所)
 受け取ったたすきを左の腰にはさみ、ぐっとあごを引いた。京都の8区久馬萌(綾部中)が追撃態勢に入った。拳(こぶし)を頭上まで振り上げる豪快なフォームで走り始めると、30秒足らずで逆転劇は完成した。「前の人を抜かすだけ」。抜け出せず苦しんだ京都を救ったのは、京都の中学生ランナーだった。
 2区早狩、4区小崎という実力者が伸びを欠き劣勢を強いられた。だが「後半も強い。不安はない」と十倉監督は慌てない。細やかな指導でチームを見渡してきた指揮官の思惑通り、5区以降の高校生が逆転への布石を着実に打った。
 5区の夏原育美(立命館宇治高)はトップの岡山に10秒差で駆け出すと、「上り坂に負けないよう走った」と2年連続区間賞で差を1秒縮める。6区近藤好(立命館宇治高)も食らいつき、7区伊藤紋(立命館宇治高)は「次の萌ちゃんは強い。まずは差を詰めること」と後半勝負に出て4秒差まで詰めた。
 堅実なリレーが8区久馬萌の背中を押した。どんな展開に陥っても、ひるまずに攻めていく。京都が誇るジュニア選手層の厚さが威力を見せた。
 9区の小島一恵(立命大)は実業団勢を上回る区間2位で締めた。京都が優勝したレースで9区を大学生が務めたのはこの3年だけ。社会人選手頼みではないチームの力を象徴する主将の走りだった。
 学校の垣根を越えた中高の合同合宿を毎年続け、指導者は毎月のように顔を合わせる。「前の5連覇とは違う。京都の一貫強化体勢が実を結んだ」と指導に携わった指導者たちは口をそろえた。比護信子コーチは「京都の選手は女子駅伝へのあこがれと意識が他チームとは全然違う」と話す。
 激闘の後、早狩や小崎が中高生を笑顔で出迎え、温かい輪ができた。大会の創成期を支えた17年前の5連覇から新たな時代へ−。女子長距離界をリードしてきた京都の伝統は脈々と受け継がれる。

 1区・木崎良子(佛大) 残り300メートルが勝負だった。区間賞にあと一歩だけど京都の人に成長した姿を見せられた。
 2区・早狩実紀(京都光華AC) 調子が悪いとか、どこかが痛いとかない。今の私ではここまでの力。他の選手たちはすごく強かった。
 3区・久馬悠(綾部中) 最初から積極的にペースを上げた。最後に抜き返されて残念だったが力を出しきれた。
 4区・小崎まり(ノーリツ) マラソン準備のためスピード練習が不足していた。若い選手に助けられた。
 5区・夏原育美(立命館宇治高) 女子駅伝の声援はすごい。どこでも京都チームを応援してくれる。力をもらった。
 6区・近藤好(立命館宇治高) 初めての出場はすごく勉強になった。坂を走るのは難しい。来年につなげたい。
 7区・伊藤紋(立命館宇治高) 2年連続の区間賞も取れてうれしい。8区が強い中学生なので差を詰めれば逆転できると信じていた。
 8区・久馬萌(綾部中) 区間新、9分40秒台を狙った。誰も見ず、ただ思いっきり走った。また優勝なんてうれしい。
 9区・小島一恵(立命大) 五条通でペースが上がらなかった。友人でありライバルである新谷さんに負けて悔しい。
 沼田未知(立命大) 中継点で見ていて感動した。京都はすごい。埼玉出身なので京都全体の一体感と強さを感じる。
 辻井美智子(立命館宇治高) 高校最後の年に最高の経験になった。昔は京都チームは遠いあこがれの存在だったけど、来年は出場を目指す。
 荒井七瀬(立命館宇治高) 優勝メンバーの一員になれて最高にうれしい。夏原先輩やみんなが力を出し切ったと思う。
 牧恵里奈(男山三中) 久馬さんは2人とも同学年だけど信じられないほど強い。高校生になる来年こそ走れるように頑張りたい。
【2009年1月12日掲載】