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京都から指導者を目指す

サンガで引退、金南一氏

「文化的な交流でも日韓の橋渡しをしたい」と語る金南一氏(京都市内のホテル)
「文化的な交流でも日韓の橋渡しをしたい」と語る金南一氏(京都市内のホテル)

 サッカー韓国代表MFとしてワールドカップ(W杯)に2002年日韓大会から3大会連続で出場し、京都サンガFCでのプレーを最後に現役引退を発表した金南一(キムナミル)氏(39)が、京都新聞のインタビューに応じた。現在も京都に住み、指導者への転身を目指す「韓国のレジェンド」に、現役時代の思い出や今後の抱負を聞いた。

 -引退の経緯は。
 「今季も現役を続けたかったが、第一にコンディションが良くなかった。韓国のクラブから獲得のオファーを受けたが、2014年に全北現代でリーグ優勝しており、日本でいい形で終わりたかった。チームの気持ちが一つになれば結果は出るが、昨季は微妙だった。京都をJ1に上げる目標を達成できずに引退したのは心苦しい」

 -引退後のプランは。
 「日本のサッカーを勉強して指導者を目指す。韓国よりボールをつなぎ、技術が高いサッカーに魅力を感じている。10月にA級ライセンスを取得予定で、経験を積んで監督としてのスタイルを持ちたい。機会があれば京都でやりたい。日本だけでなく海外でもしてみたい。代表監督も当然目指す」

 -2000年からの現役生活について。
 「ファンがいたおかげで幸せだった。(最初のクラブだった)全南の監督が大学時代の監督で、プロに引っ張ってくれた。韓国代表にはヒディンク監督(当時)が選んでくれた。周りの技術委員やコーチは反対していたが、監督が見いだしてくれ、サッカー人生が変わった」

 「日韓W杯の4強は素晴らしい成績だが、一番の思い出は全北現代での優勝。2014年のキャンプでけがをし、夏に初めて監督に引退を申し出たが、慰留された。必死でコンディションを上げ、天王山の大事な試合でゴールして活躍できた」

 -サンガの印象を。
 「(プレーした)韓国人選手は多く、韓国から見れば京都への思いは強い。J2にいるのはおかしい。石田ら才能のある若い選手がたくさんいる。うまく育成しないといけないと思う」

 「京都に2年ほど滞在する予定で、家族と一緒に過ごしたい。昨季までは(城陽の)練習場から自宅の往復だけだったが、(引退して)街の良さが分かってきた。京都は観光都市で隠れた名所がいっぱいある。古い都市だが、新しい文化も入って、うまく調和している」

「兄貴」日韓の懸け橋に

 お辞儀を忘れず、しっかり相手の目を見て話す、いつもの「ヒョン」(兄貴)だった。握手の力強さや、屈強な体つきは現役そのもの。それでも「少し筋肉が落ちてやせたよ」と笑顔。第一線を退いた安堵(あんど)からか、表情にゆとりを感じた。

 2008、09年の神戸を含め日本で3年間プレー。サンガ時代は、練習の合間にも腹筋をするなど自分と向き合う姿が印象的だった。練習場近くにある選手御用達のうどん屋が大好きで、今も京都に家族と住む話からは、地域への愛着も感じた。

 今後は指導者を目指しながら、韓国サッカー協会の未来戦略企画団の委員も務める。朴智星(パクチソン)さん、崔龍洙(チェヨンス)さんら歴代の韓国代表が多く在籍したサンガに対し「魅力あるクラブ。OB同士で日韓親善試合ができるね」と笑った。サンガファミリーで日韓のつながりが深まる。是非、見てみたい。

【2016年05月25日掲載】