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「パワーや仲間意識ある。生涯現役で」 福祉は夢のような仕事

高齢者の訪問介護に取り組む 勅丁(ちょくし)朱美さん(60)=上京区
若いスタッフと打ち合わせをする勅丁さん(京都市上京区・ヘルパーステーションさくら)

 訪問介護事業所「ヘルパーステーションさくら」(京都市上京区)を二〇〇五年十月に立ち上げ、介護福祉士として高齢者の在宅ケアに飛び回る。

 青春を過ごした同志社女子中・高では、先生に「女性も教育を受け、子ども世代が二度と戦争をするような世の中をつくってはいけない」と教えられ、平和や民主主義の大切さを学んだ。二十一歳で結婚したが、進学した東京では、フォークソング「神田川」を地で行く下宿生活も経験。京都に帰り、友人を遊びに誘うと「デモに行く」と断られた時代も懐かしい。

 周囲の支えで、働きながら子ども三人を育てた。約八年前、しゅうとめが病気で倒れる。介護保険制度導入以前のこと。「何とかしてあげたい」一心で、医師や看護師からどん欲に介護技術を吸収。以降、仕事として福祉の現場に飛び込んだ。

 団塊世代にとっても介護は老後の大きな課題だ。特に男性には「問題から逃げず前向きに、家族の中で、常に決断できるキーパーソンになってほしい」と願う。「団塊」とひとくくりにされたくないが、自分たち世代には、子どもに老後の面倒を見てもらうより、みんなでグループホームを作ってしまうようなパワーや仲間意識があると思う。「高齢者を前に、いくつになっても娘のような気分で働ける夢のような仕事。生涯現役ヘルパーとして、若い人を育てていきたい」

【2007年3月9日掲載】