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「私たちに定年はない。無理なく、楽しく」 野山から元気もらい汗

竹林整備などに取り組むNPO法人のメンバー
石田典子さん(58)=山科区
竹を使った花壇に草花を飾る石田さん(京都市山科区)

 竹を使った花壇や一輪挿しなどが、JR山科駅近くの婦人服店を飾る。「『竹と緑』の仲間にもらったり、不要な竹を活用したもの」という。

 伏見区深草でNPO法人(特定非営利活動法人)「京都・深草ふれあい隊 竹と緑」の活動にほぼ週一回、参加する。

 きっかけは、五年前に見た市の広報紙の小さな記事だった。市東部農業指導所などによるタケノコ栽培研修農場の参加募集。「タケノコ掘り」という文字に、幼いころの記憶がよみがえった。

 父は、兵庫県福崎町の神社の宮司だった。神社近くの竹林で掘った新鮮なタケノコの味が忘れられない。自然の多い町で、入学した地元の高校は喫茶店の出入りも禁じるほど厳しかった。

 二十四歳で結婚し、夫伊三雄さん(六三)が働く店に出た。店は学生服なども扱う。夜遅くまで仕事に追われ、一世を風靡(ふうび)した深夜番組「11PM」を目にしてまゆをひそめたのも、このころだった。

 記事は四人の子育てが一段落した時に読んだ。同農場への参加を経て、竹と緑の一員になった。以前から、休日は家族と野山に出た方が気が晴れた。「自然は元気をくれる」。竹林で土入れや間伐に汗を流し、仲間と交流するのが楽しい。

 振り返れば、仕事に子育てと無我夢中だった。「私たちに定年はないけど、これからは夫と無理をせず、楽しみながら人の役に立てたら、言うことない」と笑う。

【2007年3月23日掲載】