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「たとえ失敗しても、したいことをしないで死にたくない」 好奇心衰えず 海外巡る

不動産会社の代表取締役を務める 大西誓子さん(56)=右京区
代表を務める不動産会社で、物件を紹介する大西さん(京都市右京区)

 東京大の一般入試が中止された一九六九(昭和四十四)年、富山市内の国立大学に進学した。自由や男女同権、自立など、時代の空気を吸った。

 浄土真宗の寺の四女として、富山県の田舎町に生まれ育った。四十分かけて通った元女子師範学校の女子高では、良妻賢母の心構えを教えられた。

 映画館や喫茶店は出入り禁止で、男子生徒と一緒に歩くこともだめだった。高校に進学したのは七人に一人ぐらいで、「村を背負っているような感じがあって、勉強は頑張りました」。

 そんな保守的な環境が、大学に入って変わった。反戦や反体制の主張に共感し、デモに参加したこともあった。アルバイトでお金をためて、ユースホステルに泊まりながら北海道や九州を汽車で回った。初めて自立できた気がした。その旅先で夫と出会い、学生結婚して京都にやってきた。

 「女性が仕事をもつのは当たり前」と思っていたが、結婚後は働きに出る機会はなかった。しかし、子育ても一段落したところで、「人生、何があるかわからない。手に職を」と、夫が貸家をもっていたこともあり、宅地建物取引業の資格を取った。

 「やりたいと思ったことには挑戦する」。今も好奇心は衰えず、ヨーロッパを中心に古い文化が残る国を巡る。「今の私があるのは教育を受けられたおかげ。両親には感謝しています」

【2007年4月20日掲載】