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「何歳になっても、その気になれば学べる」 庶民の視点で文化再考

NPO法人遊悠舎京すずめ理事長 土居好江さん(57)=西京区
NPO法人の事務局で「京すずめ学校」の企画を練る土居さん(京都市下京区)

 京都の文化を庶民の視点で見つめ直そうと、二〇〇一年、大学教授や社会人らと法人を設立した。老舗の店主や職人らを講師に、市民とまちを歩き、フィールドワークで学ぶ「京すずめ学校」には全国から会員が集う。

 若いころから、日本や海外の文化について、大学だけでなく独学でどん欲に吸収した。三十代初め、出産としゅうとの介護を同時に経験。人間の生死に直面し、人生を見詰めた。「生きた証しを残したい。自分が生まれた土地に何か恩返ししよう」と決意。主婦業と学問を両立させ、四十代初めに「実学で現場を歩きたい」と松下政経塾に入り、公衆トイレとまちづくりの関係を論文にまとめるなど活動の場を広げた。

 「京すずめ」では、王朝文化や観光スポットだけでなく、庶民に光を当てる。人気ブランドの京野菜も味だけでなく、それを根付かせたお百姓さんの苦労がある。「昔の京都人はモノを大切に、自然と共生してきた。その心を伝えたい」と語る。

 これぞと思った人に、大半が飛び込みで講師を依頼する。一流の顔ぶれがそろう。「参加者からは『こんな話を聞けたのは初めて』という感動も多い。一流の心を学び、自分の生き方につなげられる場所」と自負する。

 「何歳になっても、その気になればどこでも学べる。何のために学ぶか、目的意識が大切」と、学びの喜びを発信し続ける。

【2007年5月11日掲載】