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「トライ精神が伏見っ子魂」 人と出会う仕事に喜び

観光客に時代衣装やメークをする 岡村和枝さん(58)=伏見区
マネキンで髪結いの練習をする岡村さん(京都市伏見区)

 約二十年前に「時代衣装屋」を開いた。観光客に、衣装やメークを施し舞妓や坂本龍馬に変身してもらう。伏見に活気を取り戻したいと始めた。

 伏見区で生まれ育ち、十八歳で和文タイプの仕事を始めた。「銭形平次」の台本を打ったことから、太秦の撮影所に通い、衣装やヘアメークを手伝うようになった。そのままスタッフとして就職。「技術がないと、生きていけんから」と、周囲が学生運動やフォークソングに熱中しているさなかも、黙々と働いて、技を覚えていった。

 二十歳で結婚退職した。娘を出産した後、「家でできる仕事をしよう」と、着付けと編み物の資格を取り、教室を開く。映画会社に頼まれ、スタッフ養成所も兼ねた。景気がよかったから、教室も養成所も繁盛した。

 映画が下火になり、価値観の変化で生徒数は減少。そんな時、観光客を舞妓に変身させる話があったのをきっかけに、今の店を始めた。着せるだけでなく、十二単(ひとえ)などの衣装も作り、「時代劇オペラ」といったイベントも企画している。「トライ精神が伏見っ子魂」をモットーに、挑戦を続ける。

 夫は三年前に他界。つらい時期もあったが、人と出会えるこの仕事があるからやってこれた。「伏見で花魁(おいらん)道中やろう思うけど、おもろいと思わない?」。次なる挑戦に目を輝かせている。

【2007年6月29日掲載】