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「気軽に相談できる窓口を」 経験生かし「在宅」支え

地域で訪問看護に取り組む 山下正子さん(59)=南区
愛用の自転車と共に、地域の利用者を訪ねて回る山下正子さん(京都市下京区)

 「まちかどにあって、誰でも気軽に介護について相談できる場をつくりたい」と、二〇〇四年に相談窓口となるNPO法人(特定非営利活動法人)を、〇六年四月には居宅介護事務所を立ち上げ、地域の訪問看護の充実に奔走する。

 富山県生まれ。よりよい看護について自由に話し合える場を求め、一九六九年に京都府立医科大付属病院に就職した。「職場では皆、熱心に看護のあり方について議論していた。学生運動が盛んなころで入院数も制限されて、職員の方が患者より多いくらいだった」と就職当時を振り返る。

 「家にいたい」と言い続けながら病院で亡くなった義父への思いもあり、在宅療養を支える訪問看護への熱意は強い。八〇年に京都市の訪問看護指導員、九三年から南区の訪問看護ステーションの看護師、〇二年十月からケアマネジャーと、常に地域医療にかかわって働き続ける。

 子育てや交通事故の後遺症で一時現場を離れることはあったが、そのたびに困難を乗り越え、「究極の看護」と信じる訪問看護の現場に戻ってきた。

 「今、介護をする側としても、される側としても、これから老いを迎える団塊の世代が焦点となってくる」と力強いまなざしで先を見据える。「これまでわたしが培ってきた訪問看護の経験を生かし、地域の人に介護保険の知識や健康維持の大切さを広げていきたい」

【2007年8月3日掲載】