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「仲間と今も成長の途中」 絵に熱中 楽しさ伝える

八瀬スケッチ会の講師でデザイナー 藪内玲子さん(60)=左京区
「八瀬に来てから趣味で描く絵が増えた」と、自宅近くでスケッチをする藪内さん(京都市左京区八瀬)

 自宅二階の仕事部屋からは木々の間に民家の瓦屋根が見え、居間の窓から八瀬天満宮の鳥居を望む。「毎朝、家に居ながらにして拝めるのよ」。緑が多く空気がいい八瀬が気に入り、二〇〇一年に夫と引っ越してきた。地元の八瀬地域女性会からスケッチ会の講師を頼まれ、女性たちに絵の楽しさを伝えている。

 美術大を卒業後、京都高島屋(下京区)の宣伝部に務めた。社会人一年目に、上司の友人で同業者だった夫に出会う。「二人は雲の上の人だった」。尊敬する二人の男性から、デザインの世界のおもしろさを学んだ。残業も付けず、休日も返上して、チラシやポスターを描き続けた。四年後に退社し、デザイン事務所のアシスタントとして働いた後、三十歳手前でフリーになった。

 年収五十万円だった時期もある。貯金を崩してやりくりしながら、本のカットやイラストをこなした。コンテストに応募し、後世に残るデザインも生んだ。二つのハートを重ねて三人の人に見立てた交通安全のマークは、今も看板などに使われ続けている。

 五十二歳で結婚。一番リラックスできる相手が、仕事のパートナーでもある。夫と共作したデザインが、今年の全国都道府県対抗女子駅伝のポスターに採用された。「思わず笑い返してしまう赤ちゃんの笑顔のような絵が描きたい。スケッチ会の仲間と今も成長の途中です」

【2007年9月28日掲載】