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「個人ペースに合わせ支援したい」 多忙な毎日 生活は充実

共同作業所の所長 吉岡由喜子さん(57)=下京区
10月にオープンしたふれあいサロンの運営にも携わる吉岡さん(京都市左京区)

 精神障害者が通う京都市左京区の「ゆりかもめ共同作業所」の所長を務める。地域住民の交流の拠点にと今月に開設したふれあいサロン「なごみ」の運営にも携わる。右手に生まれつきの障害があり、障害のある人とのかかわりを大切にしてきた。「障害のためパソコンや細かい手作業は難しいけど、みんなが支えてくれる」と感謝する。

 兵庫県豊岡市で生まれた。高校卒業後、知的障害児の収容施設で働いた。仕事で医者や看護師らと出会い、福祉の勉強会に参加するうち、当時、機械的に利用者と接していた職場に疑問を持った。「個人のペースに合わせた支援をしたい」と、二十五歳で仕事を辞め、親交のあった映画監督を頼って京都に向かった。

 京都は自由な雰囲気が漂っているように感じた。「仕事を辞めてきたからかな。ここでやりたいことを見つけるんだと意気込んでいた」と懐かしむ。当時流行していた歌声喫茶や、名曲を流す喫茶店にも通った。

 保育園で働き、結婚。三十五歳で子育てに専念する。十年後、知人から共同作業所のスタッフの呼び掛けを受けた。子育てのため断ったが、子を連れて内職を手伝ったりするうちにのめり込んだ。

 団塊の世代という意識はあまりないという。「朝早くから深夜まで働く男性の姿をあまり見ていないからかも」。家事をこなしながらの多忙の毎日だが、「好きなことをしているから、とても充実した生活」と笑顔を見せる。

【2007年10月26日掲載】