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「大人数だった高校時代に原点」 男社会に明るさで挑む

主婦感覚生かしてリフォーム業営む 塚本 明美さん(59)=西京区
「真心込めた仕事」が信条の塚本さん(京都市西京区)

 左官職人の夫の仕事場を訪ねるたび、人の住まいを造る建築に魅せられていった。三十四歳の時、一大決心して自ら事業を立ち上げた。「住まいの便利屋さん」として雨漏りの修理などから始めた。

 当時の建築業界は「完全な男社会で周りに女はわたしだけ」という状況だった。そんな中、持ち前の明るさと反骨精神で同業の職人の技を見聞きして知識と経験を積み、快適な住環境の提案から施工まで請け負うリフォーム業に発展させた。

 事業開始から丸二十五年。「ここまでやれた原点は大人数で過ごした高校時代にある」。京都明徳商業高(現・京都明徳高)入学時、学年は一組六十人以上で全十八組もあった。「黙っていたら顔も覚えてもらえない。自然と前に出るようになった」と振り返る。

 部活は「和文タイプ選手養成クラブ」で、文字を打つ速さを競う大会で京都一の座をかけてライバルとしのぎを削った。「ずっと負けていた相手に勝てた時の喜び。あの経験が何でもやればできると教えてくれた」。

 最近、少しずつ腰や脚に痛みを感じるようになったが、「台所のキッチンの高さなど、お客さんとより親身になって相談できるようになった」と姿勢は常に前向きだ。

 「今があるのは出会ったすべての人のおかげ。お客さんに良いアイデアを提案する感性が鈍らない限り、いつまでも仕事を続けたい」と、わき出る意欲は尽きない。

【2007年11月9日掲載】