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「仲間集える場作りたい」 セラピー効果も実感

キルト作りを通じて社会貢献に取り組む 森田 朝美さん(57)=山科区
「キルト作りは節約と社会性がテーマ」と話す森田さん(京都市山科区)

 不要な衣服やシーツが、鮮やかな模様のこたつカバーやクッションに生まれ変わる。約二十年前から自宅や福祉施設でキルトや手芸の教室を開く。

 鹿児島県出身。一部の同級生が集団就職で故郷を離れる中、二十歳までを過ごした。薩摩武士の精神が息づく古いまちと厳しい父。幼少時代から家事や礼儀を学んだ。

 都会で就職し、三十代で結婚。子育てをしながら、昔から得意な手芸を生かし、キルト作りの道に。米国の女性が布を持ち合ってキルトを作り、教会の寄付集めに協力した歴史に、節約と女性の社会参加の大切さを知った。

 以来、リサイクル素材でキルト作品を制作。一方で、市内の統合失調症患者の共同作業所や小児病棟のボランティアグループで指導した。心理学を学び、患者や親子がリラックスする姿に手芸のセラピー効果を実感。旧家のしつけ、嫁しゅうとめ問題など、以前は「家」への反発もあったが、「自分を縛っているのは自分」と悟り、自らも心理的に自立、地域社会に出て、人の立場をより考えられるようになったという。

 キルト愛好家が集う自宅では、子ども電話相談「チャイルドライン」の支援で、作品のチャリティー販売も行う。「同世代は『人の役に立とう』というパワーのある人が多い。そんな仲間が集える場所を作りたい」。社会貢献への意欲が、パッチワークのように人々をつなぐ。

【2007年11月16日掲載】