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植物に癒やされる自分に気づき 仲間作りのできる場を

障害者や心の疲れた人たちを受け入れ ともに農作業に取り組む
原田景子さん(56)=伏見区
春に咲くようにレンゲの種をまく原田景子さん(宇治市)

 「菜の花はすごくいい花なんですよ。食べても、肥料にしても、油をとっても」。花の話になると、口調に熱がこもる。障害のある人やうつ症状などのある「心の疲れた人」たちを自身の農園に受け入れ、農作業を通じた癒やしの場にしている。

 山口県出身。二十九歳で京都の農家に嫁ぎ、農作業を手伝いながら二人の子どもを育ててきた。

 以前から園芸に親しんでいたが、転機は五十歳ごろ。人間不信に陥り、植物の世話も一年間しなかった。しかし、その中からスイセンが自力で咲かせた花の美しさを見て、植物の力に癒やされる自分に気づいた。「同じように心が疲れた人のために、仲間作りができる場をつくりたい」。二〇〇六年、府の園芸福祉モデル農園の管理者となり受け入れ活動を始めた。

 現在、農園には二十人ほどが登録する。植物と向き合い、つらかった体験を話し合いながら、一緒の時間を過ごす中で安らぎを得ている。「私たちの年代は子育ても終わり、何をしたらいいかわからない人が多いと思う。でも私は、これから社会のために働けるという確信を得たんです」。力強い笑顔で語った。

【2008年1月11日掲載】