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「ささやかな事でも社会変えられる」 生活者として思い熱く

自然エネルギー普及に取り組む「きょうとグリーンファンド」事務局長
大西啓子さん(57)=伏見区
「自分だけいい物を食べ、いい空気を吸うのでは居心地が悪くて」。自然エネルギー普及を目指す大西さん

 小学校時代、父の仕事の都合で転校を重ねた。「おかげで新しいことや変化にも物おじしない性格が培われた」と笑う。

 幼少期からバイオリンを学び、音楽中心の生活だった。二十代後半、故有吉佐和子さんの小説「複合汚染」に触発された。子どもにちゃんとしたものを食べさせたい。無農薬野菜の共同購入活動に参加し、生産や流通のシステムを学んだ。「自分だけが安全なだけでは足りない」。日々の暮らしから社会を見る必要性を感じ、食や水、農薬、インフラ整備などの問題に取り組むようになった。

 こうした取り組みを経て今、挑戦しているのが自然エネルギーの普及だ。環境NGO関係者と二〇〇〇年、きょうとグリーンファンドを設立。以来、保育園の太陽光発電装置設置や地域の環境学習を進める。

 大人の意識が変われば、子どもも変わる。園長や保育士さんがまめに電灯のスイッチを切れば、園児も、家で付けっぱなしのテレビを消すようになる。「自然と生活の一部になるような習慣がけが大切」と呼びかける。

 「私たちは、ささやかな事でも社会を変えられる実感を持って生きてきた世代。まだまだあきらめない」。太陽光発電装置は十一基目を設置中だ。電気の一部は嵐山花灯路などの事業に活用されている。

 「自然エネルギーが、地産地消で生かされる仕組みを整えたい」。生活者としての熱い思いもエネルギー源。静かに、でも着実に社会を動かす。

【2008年1月18日掲載】