京都新聞TOP > 政治・社会アーカイブ > 団塊の女性たち
インデックス

「自由に楽しく描いてもらえれば」 多くの障害児も教える

絵画教室を長年続ける 酒谷佳子さん(55)=山科区
「絵画教室のみんなに大きな力をもらっています」と語る酒谷さん(京都市山科区)

 京都市山科区の絵画教室「アトリエ・ウーフ」を主宰して二十二年。幼稚園児から四十代の約四十人のメンバーには、知的などの障害がある人も多い。だが、「障害の有無にかかわらず、それぞれに絵を自由に楽しく描いてもらえればいいんです」と自然体を貫く。

 自身も子どものころから絵や物語を書くのが好きだった。「りぼん」「マーガレット」など少女漫画雑誌にも熱中した。小学生の時は、教室内の出来事や動物の話を記事にし、クイズや四コマ漫画も入れた壁新聞を作っては教室に張り出した。

 京都市内の短大で洋画を学ぶが、挫折。卒業後は三年ほど、喫茶店や児童向けの絵画教室でアルバイトをして過ごした。「当時は学校を卒業して正規就職するまでに、ちょっとぐらい寄り道をするのが当たり前の雰囲気でした」と懐かしむ。

 自ら絵画教室を始めたのは、長女が幼稚園児の時、その友達に障害児がおり、母親から「絵を描かせる場所がほしい」と相談されたのがきっかけ。障害児だけを対象にはしていなかったが、二、三年続けると、親同士の口コミで障害児が多く通うようになった。

 絵を描くことに障害の有無は関係ないと思う。だが障害のある子とない子が並んで描くことで、「健常者にとっては、障害者と肩ひじ張らず一緒に過ごすことが身に付いたのでは」と話す。

 近年は子育てが手を離れて一人の時間が増えた。「子どものころから少しずつ続けてきた小説などの物書きにも少し力を入れたいですね」。絵画教室の仲間からの刺激を受けつつ、自らの創作意欲にも火をつけるつもりだ。

【2008年3月7日掲載】