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「今日が一番若いんやから」 色、形の創造に魅せられ

フラワーアレンジメントに熱中する 河合博子さん(55)=伏見区
「友だちが増えて楽しい」。フラワーアレンジメントを通し、交友関係が広がった河合さん(京都市伏見区)

 チューリップ、バラ、ストック…。八種類の草花を使い、十五分ほどで作品を仕上げた。コンセプトは「春萌(も)えるという感じ」。国際フラワーアレンジメント協会のコーディネーターとして近所の主婦らに教えている。

 伏見で生まれ育った。絵や版画が好きで、高校卒業後、市内の洋装メーカーのデザイン室に就職した。当時、世界のファッション界は高田賢三やコシノジュンコら日本人が席巻していた。

 ところが、二十歳の時、ニクソンショックで会社が打撃を受け、退職に追い込まれた。デザイン専門学校で三年間勉強したが、今度はオイルショックもあって就職口がなかった。二十七歳で夫と結婚してからは「ずっと普通の主婦」だった。

 四十歳を過ぎ、「友だちづくりのために」と、フラワーアレンジメントを始めた。色や形を花で創造する世界に魅せられた。二〇〇二年に甲状腺がんの手術を受けた。あえて「元気度を試したい」とコーディネーターの資格を取った。今は「人と人とのつながりがどんど広がり、楽しい」

 一方で違う顔も。少女時代からジャニーズ事務所のアイドルが好き。よく友人と「SMAP」のコンサートに行く。「三時間ぐらい飛び跳ねてます。非日常の空間があるんです」とほほえむ。

 物忘れがひどくなったりして年齢を感じることもある。そんな時は友人のこの一言を思い出す。「今日が一番若いんやから」。再び前に進む気持ちが芽生える。好奇心に満ちた大きな目が一層輝いた。

【2008年3月14日掲載】