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絶望と再生の物語 読者に勇気

人のたくましさ 希望灯す
昨年11月に始まった連載「命ときめく日に」。多くの読者からの反響に支えられた
 6月16日付の朝刊から連載した「命ときめく日に 第5部・その手を離さない」(7回)に対し、ご意見や感想を募ったところ、多くの手紙やファクス、メールをいただきました。一部を抜粋して紹介します。
 ともに幼いころから障害がありながら、結婚して自宅で暮らす岩本夫妻の姿には、多くの声が寄せられました。「お互いを思う温かい愛情、苦しみ、涙にすごく感動して、生きる勇気みたいなものをいただきました」と京都市内の女子中学生(15)。
 2歳半になる三男が重度身体障害者という伏見区の男性Hさん。「家族は絶望の日々を過ごしてきました。しかし、今回の記事を読み、たとえ障害があっても、幸せな家族をつくれる可能性があると、一縷(いちる)の希望を見た気がしました」
 岩本夫妻が障害だけでなく病や老いとも闘い、制度の壁に直面する姿に、「読んでいて心底苦しくなりました。これって変えていかなくてはならないことなのに、なんで変わらないのですか。わたしは彼らに何ができますか」とTさんからの問いかけです。京都市内の男性Nさん(37)は脳脊髄液減少症という難病。「治療に保険が適用されず、生き地獄の病気です」と痛切な声です。
 記者による重度訪問介護研修の体験記に、「わたしもやりたい」という反響が続きました。左京区の女子高生Sさん(17)は「わたしも看護師になって命と向き合いたいです。命の大切さを見つめ直せた気がします」とのはがきです。
 伏見区のYさんは、41歳の息子さんが脳出血のため2年近く寝たきりです。「リハビリを受けたいと言っても半年間で打ち切り。老人と一緒にただ寝かされているのみです」と手紙は切実な文面。わたしも勉強をして息子さんを介護したいと綴(つづ)られます。ヘルパーの女性Hさんは「現場では、痰吸引など医療的ケアを行いたいと思っているが、事業所からのOKが出ず、できません」との告白です。
 京都市の公務員Kさん(25)は「(第1話の)コウちゃんの七夕の短冊を読んで涙が止まらなかった。命の力を感じた。(第4話の)虐待を受けた少年と里親のおばちゃんのたくましさ。人間は捨てたものではないのだ」とされています。
 第4話で紹介したケアプランの自己作成(マイケアプラン)にも、多くの問い合わせがありました。95歳の母を介護する左京区の女性Hさんは「人任せでなく、わたしも介護保険に積極的にかかわりたい」。伏見区の女性Yさん(46)は「里子を引き取り、義母の介護計画を立ててサービスを受けておられる北川さんの姿に見習いたい」
 第2、3話は高原の馬のもとで再生していく人々。「毎日、自殺や殺人などの記事を見ると心が痛む。この記事を読んで涙が自然に出てきた。心に残る記事を書き続けてほしい」(41歳の女性)。「26歳の長男は高校時代のいじめが原因で対人関係がうまくいかず悩んでいる。記事を読んで、立ち直りへの希望がわいてきた」(宇治市の女性Sさん)
 医師から「脳死状態」といわれた最終話の裕哉ちゃん(2)にも励ましのお便りが相次ぎました。栗東市の男性Hさん(72)は「母の愛が子に通じ、子の命が母に応える世界ですね」と書かれます。
 大津市の自営業の女性(57)は「わたし自身は病気も障害もありませんが、ひとごとではないと考えるところから、始めなければ。この連載を読んで、人間関係の大切さや人間の強さを痛感しました」と結ばれています。
 暗い事件や悲しいニュースばかりの中で、少しでも希望の光を紡げないか。そんな思いで始めた昨年11月からの連載は、5部計33回になりました。この間、多くの示唆に富む意見や貴重な体験談、激励などをいただき、連載に直接、間接で生かす例も多々ありました。心よりお礼を申し上げます。
(「命ときめく日に」取材班)