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読者の声より

周囲の無理解 悲しさと悔しさ
働く人の心の悲鳴にいかに耳を傾け、ケアし合える職場づくりを進めるか。労働組合関係者らの全国集会でも、メンタルヘルスがテーマになり、意見交換した(10月11日、京都市中京区・ラボール京都)

 うつに苦しみながら働く人たちの姿をつづった連載「また働きたい−職場のメンタルヘルス」第一部「まさか、私が」(十月十二日−十一月十六日)に、多くの感想が寄せられました。同じ不安を抱える人の共感、労働環境の悪化を懸念する声など一部を紹介します。

「心の風邪」とはほど遠い

 ◇同じ立場から◇
 「ノーと言えない人、使い勝手がいい人がまずうつになります」。過重労働などが原因でうつ病になったという男性(43)の職場での実感です。  軽いうつで通院中の女性(27)は「休職を勧められたが、復職しても同じ職場では不安」と感じ、会社を辞めざるをえなかったそうです。「働きたいのに働けない。悲しいやら、情けないやら…」

 京都市東山区の女性(49)は二十代にうつ病を発症し、「当時はサポートセンターも情報もありません。家族や近所の方から偏見の目で見られ、退職せざるを得ませんでした」と振り返りました。

 長岡京市の女性(51)は「うつは『心の風邪』と言われ、新聞にも頻繁に取り上げられるようになりましたが、実際には風邪とはほど遠い」と病状の苦しさを指摘します。娘や友人の支えで回復できた半面、親族に理解してもらえず苦しんだといいます。  うつなどメンタルヘルスの問題は、以前よりは少しずつ認知されてきたのではないでしょうか。しかし、「メンタルケア?大手企業でも無理なのに、人手不足の事業所は…。会社に支援なんて無理」とのメールもいただきました。

人手不足、支援に限度も

 ◇同僚・家族から◇
 伏見区のパート女性(40)は勤め先の正社員がうつで退職したそうです。「まじめにやる者がかなりの負担を抱え、助けを求めても周りはいい加減な言葉で逃げる。分かっていない人が多く、悲しさと悔しさがいっぱいです」と訴えます。

 「仕事の量と、労働者の質や量がアンバランスになっている」と感じるのは福知山市のパート堀由美子さん(54)。「社員を働かせるだけが会社ではないのです。育てていくのも会社の仕事だと思います」

 伏見区の女性(43)は、かつて夫がうつで会社を休んだ際に「生活がかかっている。とにかく働いて」と、つらく当たったことを、いまも悔やんでいると明かしてくれました。

治療遅れが招く重症化

 ◇専門家から◇
 長岡京市のソーシャルワーカー吉川聡一さん(36)は心療内科で復職支援をしています。「人手不足、長時間労働、孤立、ソーシャルサポートの少なさ…。現代の職場環境ではうつ病になって当たり前なのに、いまなお現存する精神科疾患への偏見。結果として治療の適切な時期を遅らせ、重症化を招いている」と問題を投げかけます。

 復職の方法に関しては、社外スタッフの活用に言及し、「回復状況を具体的に職場に提示し、長期に及ぶ休職期間にできた社員と職場との不信感を埋めていく作業が必要」と提言してくれました。

【2008年11月27日掲載】