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(下)自立支援医療で負担軽減(完)

自ら申請 支払い費用は「1割」

 うつ病などの精神疾患の通院は長期にわたり、継続しなくてはならない。医療費の自己負担を一割に減額する制度が「自立支援医療」で、二〇〇六年にスタートした。通常は三割の自己負担と比べて大きな助けとなる。

 京都市右京区の男性(27)は、うつ病の治療で通院して十年ほどになる。自立支援医療は病院に教えてもらい、制度発足時から利用している。

 かつて「三割負担」をしていた際は、月に二回の診察と薬代で計六千四百円ほど支払っていた。別の検査などが加わると、一万円を超えることもあった。

ストレス関連 障害も対象

 現在の自己負担額は月にだいたい三千円に満たない。「うつ病の治療は何カ月、何年もかかる。自立支援医療は経済的にすごくありがたい」という。

 一割負担の対象は、うつ病やそううつ病といった気分障害をはじめ、パニック障害や強迫神経症、身体表現性障害などのストレス関連障害も含まれる。

 負担には患者世帯の所得に応じて上限額があり、自治体ごとに設定が異なる=表参照

 上限設定で負担が青天井になるのを防ぐほか、京都府(京都市除く)には国民健康保険加入者の自己負担をゼロにする措置▽滋賀県には障害者手帳を持つ患者への助成−など独自の負担軽減策があるので、市町村に確認が必要だ。

 利用手続きは、自治体の指定を受けた医療機関に通院し、市町村窓口に制度利用を申請して始まる。必要な書類は、健康保険証の写しや診断書などで、制度利用のために障害者手帳の交付を受ける必要はない。

 ただし、利用は行政から自動的に通知されるのではなく、あくまでも自ら申請しなくてはならないので、制度を知らないまま「三割負担」をしている人もいるとみられる。

 申請が受理され、判定の後に「受給者証」と「上限額管理票」が届く。「ストレス性の精神疾患なら、ほぼ認められる」と府精神保健福祉総合センター(京都市伏見区)は説明する。以降、通院時に医療機関で受給者証などを提示し、一割負担で受診できる。

 京都府内では二〇〇七年度、一万人余りが気分障害やストレス関連障害などで制度を利用した。利用者全体の約42%に上る。

職場に漏れない 通院歴の情報

 同センターには、患者から「通院履歴が勤務先に伝わるのでは」との不安が寄せられるそうだが、「市町村や府、医療機関が勤務先に照会することはなく、情報は外部に漏れない」とする。

 利用にあたっては一年ごとの更新が必要で、有効期限の三カ月前から手続きできる。

 同制度を利用して通院できるのは基本的に一カ所のみ。ただし、かかりつけの病院以外に、デイケアなどを別の医療機関で受ける場合には、そちらも認められる。通院先をかえる場合は、その都度、変更届けを出す。

 うつ病などの患者は増加する一方だが、同センターは「収入面の不安で受診を断念にないように」と制度利用を呼び掛けている。

=第3部終わり

表:自立支援医療を利用したときの月額上限費用(円)

【2009年4月20日掲載】