京都新聞TOP > 政治・社会アーカイブ > 過疎に生きる「水源の里シンポ」
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活性化へ訴え熱く

参加者の声
全国水源の里シンポジウムで現状報告を熱心に聞く参加者ら(綾部市里町・府中丹文化会館)
 「全国水源の里シンポジウム」が十八日、綾部市里町の府中丹文化会館で始まり、全国から八百五十人が参加して、同市や府北部など全国に広がる限界集落の現状や再生について熱心に考えた。綾部市の「水源の里」に住む住民からの現状報告や、大会に参加した地元関係者らの声を紹介する。

地域産品の開発で説明 西田さん現状報告

 限界集落とされる水源の里の綾部市老富町に住み、「水源の里老富女性部」をまとめる西田愛子さん(63)が、集落の現状について、スライド写真を使って報告した。
 報告では、まず交通網や通信網の不備を説明。車がない生活の不便さや、食料品などを売りに来る週一、二回のJA移動購買車を楽しみにしている住民の声を紹介した。
 また、二〇〇六年四月に市などの働き掛けで「水源の里を考える会」が設置されたのを機に、住民意識が変化したことについても言及。発足当初住民からは「もう仕方ない」とあきらめの声も多かったが、回数を重ね、昨年十二月の条例制定の後押しもあり、「こんな事やってみたら」という、前向きの意見が増えたという。
 現在は、関係する三集落でとちもちの製造販売や、荒廃農地でのヒマワリ栽培など、地域の活性化に取り組んでいる、などと語った。

自然守り人を呼ぶ/里の荒廃は漁業に影響

 限界集落とされる水源の里の一つ、綾部市老富町大唐内に住むカナダ人陶芸家トレイシー・グラスさん(46) 店をつくったりしての活性化ではなく、田舎の良さや自然を守って、人を呼んでくるのが、これからは大切。力を合わせ、情報を交換して、いろんなことにチャレンジしたらいい。
 綾部市田野町に住む澤田正一さん(70) シンポジウムでは、市民一人一人が、限界集落の問題を自分たちのものとして、解決に向けて取り組んでいく大切さを学んだ。現場に足を向け、現状を知ることが大事だと思う。
 綾部の水源の里に学生とともに訪れ、とちもち作りなどで住民と交流している華頂短期大(京都市東山区)社会福祉学科の秋山道男准教授(57) 綾部の取り組みから、全国的な問題提起ができた。また、集落の人たちに光を当ててやる気を起こさせ、都会の人にも関心を持ってもらえたのは、大きな意義があった。
 宮津市から参加した市議の平野亮さん(75) 水源の里の荒廃は、川や海に影響し、最後は漁業にもかかわる問題。集落で動ける人がいる間に、自分たちで継続できる活性化案を実行し、荒廃を食い止めることが大事だと思う。
 福知山市三和町でまちづくりに取り組むNPO法人(特定非営利活動法人)「丹波・みわ」の専務理事河内一郎さん(67) 一人一人の声が届く集落の活性化が大切と再認識した。存続の危機にひんする地域は今後も増えていくが、住民主体のまちづくりの輪が全国に広がることを期待したい。
【2007年10月19日掲載】