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新旧住民、連係で守る 美山・祇園祭

移住者、積極的に参加
今年の「祇園祭」の配役を決めるなど準備のため、集まった田歌の新旧住民ら(南丹市美山町田歌の役員宅)

 四百年以上の歴史があるという南丹市美山町田歌(とうた)の「祇園祭」(府登録無形民俗文化財)が、今年も十四日に行われる。当日は町外からの移住者も積極的に参加し、やっこやひょっとこなどの面をつけて行列に加わるなど、祭りを盛り上げる。過疎、高齢化が進む中、新旧住民の連係で伝統行事を守っている。

14日本番 練習や準備進む

 祇園祭は地元の八坂神社の祭礼で、田歌神楽保存会(野口義次会長)と田歌区が毎年、行列を繰り出し、神社では神楽を奉納する。行列には子ども二人と大人七人、そして同神社宮司が参加。子どもはそれぞれ鬼と般若の面をつけ、大人はてんぐ、やっこ、ひょっとこ、お多福、爺(じじ)の面や衣装姿で登場する。

 七日夜に、地区の長老らを含めた祭りの関係者約二十人が集まり、配役などを申し合わせた。今年も、大人七人の大半を、いわゆるIターン住民が担うことになり、祭り本番まで連日、練習や準備を続ける。

 移住七年目の大学教員長野宇規(たかのり)さん(38)は「行列参加は二回目ですが、脈々と受け継がれている伝統の流れの中にいる感じ」と身を引き締める。十年ほど前から参加している自営業の崎野幹雄さん(35)は、爺がはまり役のようで「昔からの型を変えないように心掛けている。大阪から来ましたが、田歌区は、新しい住民がなじみやすくてうれしかった」と話す。

 田歌区では現在、三十三戸に約六十人が住み、半数近くがIターン世帯という。一時期は、若い住民が減ったため、都会に出ている人を呼び戻して何とか祭りを続けるという苦労もあった。今は、そうした心配はない。同区の大牧治夫区長(61)は「祭りを通して、新旧住民みんなで地域を盛り上げ、守る意識が高まればいい」と、笑顔を見せる。

【2008年7月9日掲載】