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橋下徹前知事が大阪市長選にくら替え出馬するため辞職したのに伴う大阪府知事選が始まった。13日には大阪市長選も告示され、いずれも27日に投開票される。 ダブル選の焦点は橋下氏が掲げる「大阪都構想」だ。派手な言動と「独裁」とも批判された橋下流の政治手法も問われている。大阪府民、市民の選択を注視したい。 今春の統一地方選では、橋下氏が立ち上げ、代表を務める地域政党・大阪維新の会が府議会の過半数を制し、市議会でも半数に迫った。勢いの源泉は当時8割近い支持率を誇った橋下人気だった。 知事選では、維新の会は幹事長の松井一郎氏を立て、民主・自民が支持する前池田市長の倉田薫氏、共産推薦の弁護士梅田章二氏との事実上三つどもえの争いとなった。市長選は、民主・自民に加えて共産も支援に回った現職の平松邦夫市長と橋下氏の事実上の一騎打ちとなりそうだ。 維新の会は、松井、橋下両氏が勝てば大阪都構想の実現に向けた法改正や住民投票を実施するとしている。一方、反維新の会の倉田氏や平松氏が勝てば、都構想は頓挫することになる。 理念先行の荒っぽさは目立つものの、大阪都構想が問うのは大都市行政のあり方だ。背景には、政治経済の東京への一極集中を打破し、大阪をどう再活性化させるかという問題意識がある。 大阪都構想では、大阪市を人口30万人規模の特別区に分割し、公選区長と区議会を置く。一方の平松氏は、府から財源や権限を移した独立性の高い「特別自治市」を掲げて対抗する。府と市の二重行政の解消を目指す点は共通だが、方向性はまるで逆だ。 この議論は、大阪に限らず、人口や経済で大きな比重を占める大都市を抱える京都など他の道府県にもあてはまる。行政サービスの質を落とさず、いかに効率化していくのか。多くの自治体が財政難に苦しむ中、大阪の「枠組み論議」は参考になろう。 知事選では橋下氏が在任中に手掛けた施策の是非も問われる。大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC)の購入と府庁の部分移転、知事に教育委員の任命権を与える教育基本条例案、カジノ誘致構想、大胆な歳出カットによる財政再建策などだ。 こうした施策は、テレビ番組での人気を背景にした橋下流「政治主導」の典型と言える。しかし、同じやり方が誰にでもできる訳ではない。過去を振り返れば、実績を残せなかったタレント政治家は少なくない。 知事や市長に求められるリーダーシップや見識、人格とはどんなものなのか。大阪のダブル選を通じて考えてみてはどうだろう。
[京都新聞 2011年11月11日掲載] |