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軍政から民政移管したミャンマーの「民主化」が加速している。 政治犯を大量に釈放し、政治活動やメディアの規制を緩和するなど次々と改革を打ち出している。 1997年に東南アジア諸国連合(ASEAN)に加わって以来初となる2014年の議長国就任も、加盟各国に認められた。 ASEANの顔ともいえる議長国就任は、ミャンマーが国際社会に本格復帰する第一歩だ。さらなる民主化の進展を望みたい。 昨年秋の総選挙で23年続いた軍政が終わり、二院制議会が発足した。新政権を率いるテイン・セイン大統領は議会の公開や反体制活動家への恩赦、娯楽雑誌の検閲廃止などを矢継ぎ早に示した。 民主化運動指導者アウンサン・スー・チーさんとも会談した。政党登録法改正で、年末に行われる議会補選にスー・チーさん率いる旧最大野党の国民民主化連盟(NLD)が参加できる道を開いた。 周辺国も、ミャンマーへの関与の仕方を変えつつある。 人権擁護をアジア太平洋外交の一つに掲げる米国は、オバマ大統領がクリントン国務長官を派遣すると表明した。なお多くの政治犯を拘束しているミャンマーに人権の観点から改革を働きかけ、欧米の経済制裁が続いた間にミャンマーと深い経済的つながりを築いた中国をけん制しようとの狙いだ。 日本も野田佳彦首相がテイン・セイン大統領との会談で、政府開発援助(ODA)再開への協議やレアアース開発で連携を求めた。政治犯釈放や国民和解への努力を評価することも伝えている。 天然ガスなど豊富な資源への思惑も垣間見えるが、ASEAN最貧国であるミャンマーの民主化を支えるため、国際社会ができる限り援助していくことは必要だ。 一方、国内政治の安定には議会制度を通じた民主化も不可欠だ。 スー・チーさんの補選への立候補が取りざたされている。議会の場から国政に関与していく選択は現実的といえる。国際社会の理解も得やすいのではないか。 ただ、議会は4分の1が軍人の指定席で、軍寄りの政党が議席の8割を占めている。まだ釈放されていない政治犯の存在とも併せ、政権の民主化に向けた姿勢の本気度を疑問視する声は根強い。 民主化運動のシンボルのスー・チーさんの出馬が、政権が進める民主化改革の「成果」となってしまうことへの懸念もあるという。 テイン・セイン大統領は19日、就任後初めての記者会見で、スー・チーさんとの協力継続や外国との関係改善に強い意欲をみせた。 ミャンマーの民主化進展は、15年にASEAN共同体創設を描く東南アジア諸国にも大きな意味を持つ。改革の深化を見守りたい。
[京都新聞 2011年11月21日掲載] |