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大阪ダブル選  「都構想」支持されたが

 大阪市長選と大阪府知事選で、いずれも地域政党「大阪維新の会」が推す橋下徹前大阪府知事と松井一郎元大阪府議が当選した。
 ダブル選の最大の焦点は、橋下氏らが府と市の二重行政の非効率を解消するとして掲げた「大阪都構想」だった。2人の当選は有権者が「都構想」にひとまず支持を与えたと言えよう。
 市長選は民主、自民の両府連や共産が支援する現職平松邦夫氏と橋下氏の一騎打ちで、既成政党と維新の会の対決という構図になった。橋下氏のトップダウン式の政治手法や派手な言動を意識した「独裁」批判に対し「大政翼賛会だ」といった応酬があり、政策よりイメージ先行の選挙となった感は否めない。
 従来の枠組みや政策強化での改善を強調する平松氏に対し、橋下氏は新しい枠組みと大胆な歳出カットによる財政再建策などを提示し、若い世代や無党派層に改革と行動力をアピールした。
 選挙期間中の世論調査で、こうした層の橋下氏支持が高かったことや投票率が前回を17ポイント以上、上回った点などから推測すれば、橋下氏の戦術が効果をあげた側面はあろう。だが、平松票が4割あっただけに有権者が「都構想」を信認したと断定するのは早計だ。
 急激な円高や雇用状況の悪化など日本の経済情勢は厳しい。その中で政府や与野党が、スピード感と実効性のある経済政策を打ち出せているとは必ずしも見えない。こうした国政の停滞や既成政党への有権者の不満、不信が橋下氏と維新の会に大都市再生を託し、支持に結びついたのではないか。
 維新の会は「都構想」実現のために法改正や住民投票に向けて動き始めよう。だが、府と大阪、堺の両市を解体・再編する構想が、選挙を通じて大阪の有権者に十分に浸透したとは思えない。大阪市域を分割して設置する人口30万人規模の特別自治区の区割りや区長公選制、財政調整のあり方など具体的に示されなかった点も多い。
 大阪市は、生活保護受給者が全国一多く、失業率も高いなど多くの政策課題を抱える。経済的な地盤沈下に歯止めをかけ、財政難の中で効率よい行政サービスを維持していくことも求められている。
 都構想は、大都市が抱える共通の悩みに行政の「枠組み」の視点で一石を投じた。橋下氏は公的機関の統合や市営地下鉄の民営化など既存の組織の抜本改革を主張した。
 しかし、多くの難題に解決の具体的な処方せんは示していない。今後の市政運営の中で、政策が厳しく問われることになる。橋下氏を柱に結成され、両議会で第1党を占める「維新の会」が、2人の新首長とどう緊張関係を保ち、行政へのチェック機能を担っていけるのかも注目されよう。

[京都新聞 2011年11月28日掲載]

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