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日米欧中銀協調  EUは危機拡大止めよ

欧州の債務危機の拡大を阻止するため、日米欧の中央銀行6行が対策に乗り出した。米国大手証券会社の破綻が、世界的な金融危機を引き起こした「リーマン・ショック」の再来を回避する各国の強い意思の表れといえる。
ギリシャの財政悪化から始まった債務危機は、経済規模の大きいイタリアやスペインにまで波及し、財政再建への懸念から国債の金利は上昇している。これらの国の国債を大量に保有している欧州の主要銀行は、経営が不安視され、取引に必要な資金調達が厳しくなっている。
日本、米国、欧州、英国、スイス、カナダの6中央銀行が協調実施するのは、欧州の銀行への支援策だ。銀行がドル資金を調達する際の金利を、これまでより0・5%引き下げて借りやすくする。ドル以外の通貨を調達できる態勢も整える。銀行が連鎖的に資金繰りに行き詰まり、信用不安が拡大する懸念を解消する狙いだ。
これを受け、1日のニューヨークや東京の株式市場はほぼ全面高となった。ひとまず危機は回避されたとして市場が歓迎した形だ。世界経済の状況を見据えて、日米欧6行が協調行動に踏み切ったことは評価されよう。
それだけ、金融不安に対する各国の危機感が強いということだ。震源地を抱えた欧州連合(EU)が、危機回避への抜本的な対策を打ち出せずにいるからだ。
財政再建が求められるギリシャやイタリア、スペインは市場の圧力を受けて、政権交代に追い込まれた。新政権の実行力を市場は疑問視しており、EUによる支援拡大は不可欠だ。
このため、EUはユーロ圏諸国が連帯保証することで、財政難の国の信用を補完する共通債券の導入を提案した。債務危機の抜本的解決策として期待されるが、財政規律を強化する法案とセットになっており導入は容易ではない。支援を受ける国の財政を監視して、予算編成にまで介入する内容であり、各国が受け入れられるかどうか困難が予想される。
一方、金融の安全網として支援を行う欧州金融安定化基金の強化が検討されたが、イタリア、スペインへの対応を視野に入れた1兆ユーロ規模への拡大は、各国の意見がまとまらず、事実上断念した。
今回の6中銀の協調行動の効果は限定的であり、この間に、危機の抜本的解決に向けた道筋が示されなければならない。
EUの結束力が求められる。8日から始まるEU首脳会議がその舞台になろう。EU各国は、域内のみならず、世界経済の行方に重大な責任を負っていることを自覚し、危機回避に向けて動きださなければならない。

[京都新聞 2011年12月02日掲載]

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