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被災地の復興も景気回復も思うように進まない。国民負担だけが増えそうな情勢なのに政治家は身を削ることもしない。収入に見合うだけの仕事をしているのか。 2010年分の政治資金収支報告書を見て、国民の多くがそう思ったのではないか。 特に、共産党以外の各党は政党交付金を受け取っている。所属議員数や、国政選挙の得票率に応じて配分され、すべて税金だ。その自覚はあるのか。襟を正してもらいたい。 政党など政治団体の収入総額は1166億9千万円で、前年より6%ほど減った。 最大の特徴は政権交代を果たした民主党が25%以上増えたのに対し、野党の自民党は20%超の減になったことだ。民主党の収入が自民党を上回ったのは初めて。 裏返せば自民党の弱体化を示している。党に集中していた政治献金が大幅に減ったのが響いた。 党本部とは別の政治資金団体も同様で、「国民政治協会」の収入は4割近く減少。前年、2億円近くあった日本医師連盟からの献金がなくなったことに象徴されるように企業や業界団体の「自民党離れ」が見て取れる。 利益誘導を図ろうにも与党でなくなったのでは献金しても仕方がない、ということか。 09年衆院選の政権公約に企業・団体献金禁止を明記した民主党だが、公約とはほど遠い実態も明らかになった。 党本部は自粛しているものの、支部は「それぞれの判断」といい、野田佳彦首相や閣僚の多くと党幹部が企業・団体献金を受け取っていた。禁止する気はあるのか、本気度に疑問符がつく。 民主党の「政党交付金頼み」は変わらず、収入の8割を超す。献金が減った自民党も、交付金が7割近くを占めた。 企業献金依存からの脱却といえなくもないが、政治資金本来のあり方からすれば過度の国費依存は健全とはいえない。使途にも問題がある。およそ政治活動とは無縁の不適切な支出が後を絶たない。額も含めて見直すべきだ。 十分とは言えないまでも支出については、09年から適用の改正政治資金規正法で一定透明化された。 これに対し、収入の方はといえば20万円以下の政治パーティーの収入や寄付金控除を受けない年間5万円以下の献金は相手の氏名などの報告を求めていない。献金と引き換えに利益誘導が図られることがないよう、すべての収入に記載義務を課す必要がある。 「政治とカネ」の問題と、いたちごっこのような小手先の見直しはやめたらどうか。制度の抜本改革なしに国民の政治不信を一掃することはできないと知るべきだ。
[京都新聞 2011年12月02日掲載] |