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関西広域連合が設立から2年目に入る。「自ら政策を決定し、実行できる自立した関西をめざす」と、関西広域連合長を務める井戸敏三兵庫県知事は1年間の活動を踏まえて抱負を表明したが、これまでの基礎固めを出発点に、これからが真価を問われる。 関西広域連合は昨年12月、「関西から新時代をつくる」を合言葉に徳島県や鳥取県を加え、関西の2府5県で発足した。住民2000万人を抱える広域行政組織として、長く議論が続いた地方分権改革の実行を担う。 存在感を示す機会はすぐに訪れた。3月の東日本大震災の際、全国の自治体が支援に立ち上がる中で、本来は調整役となるべき国の動きは鈍かった。発災2日後には「情報を待っていても仕方ない」と関西広域連合は緊急会合で現地への支援本部の設置を決めた。 責任を持って継続支援するために、被災3県を分担して担当する方式は効果的だった。京都府と滋賀県は福島県を担当し、職員と支援物資を投入した。これまでに、構成府県からの派遣職員は延べ5万3000人を超す。住民により近い立場にある行政組織としての決断と行動力は高く評価したい。 原発事故に伴う電力不足問題では関西電力との折衝に当たった。夏は迷走した節電目標について、今冬は住民代表として関西電力との交渉を円満にまとめた。 正念場はこれからだ。関西広域連合発足の第一の目的である国の出先機関の移管が来春以降に動きだす。地域主権改革を政権の重要課題に掲げる野田佳彦首相は、年明けの通常国会に関連法案を提出する考えを重ねて示している。 関西広域連合は、国土交通省の近畿地方整備局、経済産業省の近畿経済産業局、環境省の地方環境事務所の3機関の権限や財源、人員の丸ごと移管を求めている。 各省庁の抵抗が早くも予想される。「広域災害時には国の出先が必要」「公選の首長がいない組織に権限移譲できない」など慎重論への巻き返しが避けられない。 「府県の上に自治体をつくることは屋上屋を架すことになる」と広域連合への参加をためらい、国からの権限移管の足かせにもなる奈良県の合流をどう促すのか。構成府県の民意を代表する各府県議会、直接は加わらない市町村の意向を広域連合の判断にどう反映するのか。住民の期待と熱意を分権の推進力にする工夫が求められる。 大阪ダブル選挙で、大阪府知事として関西広域連合の旗振り役を任じた橋下徹氏が大阪市長に選ばれた。大阪市として関西広域連合に参加する意向を示しているが、「大阪都」構想もあり、議論の焦点がかすむことはないのか。連合体としての深化を見守りたい。
[京都新聞 2011年12月03日掲載] |