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一川保夫防衛相と山岡賢次消費者行政担当相への問責決議が参院本会議で可決された。 前沖縄防衛局長の暴言に関連して、1995年の沖縄での米兵による少女暴行事件を「詳細に知らない」と国会答弁した一川氏。マルチ商法業者からの献金などが問題視される山岡氏。 ともに大臣としての資質や適格性に問題があるのは言うまでもない。野党側に野田佳彦政権を揺さぶる戦術的側面があるにせよ、問責決議は当然だ。両氏を閣僚として起用した首相の責任は重い。 「党内融和」を最優先する首相が、輿石東幹事長や小沢一郎元代表に近い両氏を、適材適所とは程遠い次元で入閣させたツケが回ってきたと言うほかない。 それにしても臨時国会が、国民生活に直結する重要法案をいくつも積み残したまま閉会するのは、不可解だ。なぜ会期を延長して審議しないのか。 国家公務員給与削減の臨時特例法案、郵政改革法案、労働者派遣法改正案…。国家公務員の給与を平均7・8%引き下げる法案の未成立で、震災復興に充てる財源の一部に穴があくことになる。 消費税増税を国民に求める前に国会議員自らが身を削る議員定数削減問題も、法案提出にすら至らなかった。 臨時国会での政府提出法案の成立率は34・2%と、きわめて低かった。与党が参院で過半数に届かない「ねじれ国会」の下で、野党との折衝に時間を費やさなければならない事情はあろう。 だが与野党とも政策より政局を優先し、角を突き合わせる戦術を続けた結果、熟議には遠かったのは残念だ。 野党が突き付けた問責決議も、政権打倒の手段としての色合いが濃い。これに対し問責を受けた両氏は辞任しない考えを示した。首相も閉会後の記者会見で「職務遂行に全力を挙げてほしい」と続投方針を表明した。 このままだと、野党側は年明けの通常国会では冒頭から審議を拒否する構えだ。首相が強い意欲を示す消費税増税に向けた与野党協議に加わることも難しいだろう。 菅直人政権だった昨年も、尖閣諸島問題に絡んで当時の仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相の問責決議が可決され、続投の末、通常国会前に内閣改造して政権浮揚を図ったが、結局は弱体化につながった。 野田政権にとって発足以来の難関といっていい。一川、山岡両氏の更迭を早く決断し、野党が協議に応じられる環境を整えるほかあるまい。 与野党とも国民の立場に立った政治を取り戻し、信頼を回復させる努力を払ってほしい。
[京都新聞 2011年12月10日掲載] |