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復興法成立  テンポ上げ遅れ挽回を

第3次補正予算に加え、復興庁設置法と復興特区法の東日本大震災の被災地再建を後押しする2つの法律がきのうまでに国会で成立した。
国会の審議に時間がかかり過ぎたが、ようやく復興は実施段階の入り口に立った。作業のテンポを上げ、時間の遅れを取り戻してもらいたい。
補正予算と二つの法案は与野党協議の末に折り合い、成立した。年明けの通常国会で与党、野党とも議案修正の経験と教訓を生かしてほしい。
最も与野党の主張が対立した復興庁設置法では、国の窓口一本化を求める被災地の要望に配慮し、復興庁が司令塔として一元的に被災地に対応することになった。
政府提出案が「施策や予算の調整に当たる」とした復興庁の役割について、修正協議の結果、「各省庁の事業を統括し監理する」と改め、復興庁を他の省庁より高い位置に置くことを明記した。復興予算は復興庁が各省庁に配分する仕組みに変えた。
被災地復興の支障となる農地転用や漁業権設定など各種の規制を外し、税制優遇する地域を設ける復興特区法では、規制緩和を拡充するため、国会の関与を強める修正で合意した。国と地方の協議が難航した場合、議員立法で規制を再検討する道筋もつけた。
復興庁は、来年3月11日までに設置される。設置期間は10年とするが、成否はここ1~2年の仕事ぶりで決まる。
復興の主体は、あくまで被災自治体である。民主党政権が地域主権を掲げるのなら、まず被災地で国の地方出先機関の在り方を見直すべきだ。県にできる仕事は県に任せ、各自治体の選択や工夫を尊重する姿を貫いてほしい。
復興実施に当たっては、国は被災地とともに大きな青写真を描いてもらいたい。防災強化は当然として、再生可能な自然エネルギーの活用やエコタウンづくりの視点は欠かせない。
東北地方の実情に合わせたまちづくりの視点も重要だ。担い手の高齢化が進む農業、漁業をどう安定的に継続するか、若者の働く場となる新産業の創出や誘致など、東北の将来像を見すえた議論から出発してほしい。
被災自治体には復興の準備作業に当たる人材が不足しているとの声が強い。集団移転に伴う土地区画整理事業などの専門知識を持つ国や自治体、民間から職員を派遣する手もある。
復興庁の本庁について、野田佳彦首相は衆院復興特別委での答弁で「東京に置くのが基本」としながら「被災自治体の意見を聴き、立ち上げまでに最終判断したい」と含みを残した。被災地の使い勝手を考えれば、本庁は被災地に置くよう再度、求めておきたい。

[京都新聞 2011年12月10日掲載]

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