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希望が見えたと言うより、首の皮一枚つながったと言うべきか。 地球温暖化防止に向け南アフリカで開かれていた国連の気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が閉幕した。 会期を2日も延長する激しい交渉の末、2020年に全ての国が参加する国際的枠組みを発効させ、京都議定書の「第2約束期間」を設けて継続させることになった。 各国の利害が複雑に絡む難交渉を決裂させず、議定書の第1約束期間が切れる13年以降の温暖化対策の「空白期間」をつくらなかったことは歓迎したい。 しかし、当初期待された結果からは程遠い。遅々とした交渉ペースと進まない対策で温暖化を防げるのか、危惧(きぐ)する。 交渉の焦点だった議定書に代わる新枠組みについては、温室効果ガスの二大排出国である米国と中国を含めた全締約国の参加を前提に、15年までの採択を目指す。しかし、その輪郭は描けていない。 新しい枠組みは、京都議定書のように明確な排出削減の数値目標を掲げ、法的拘束力を持つ強い規約であるべきだ。しかし米中は削減の義務付けを嫌っており、今後の交渉次第では新枠組みは骨抜きになる恐れがある。 最近の国民1人当たり排出量をみると、韓国やイスラエルは日本を上回り、中国も南欧諸国に肩を並べている。温暖化防止のためには、こうした先進国以外の国も相応の削減義務を負うべきだが、最も責任の大きい米国が参加しないことには説得力も実効性も欠く。 日本はそのための外交努力を傾けるべきだ。京都議定書に引き続き参加し、率先垂範することで発言は重みを持つはずだ。 継続が決まった京都議定書については、来年のCOP18で第2約束期間の年限や各国の削減数値目標を決める。不参加の場合、日本はこうした議論に加われないことになる。それでいいのだろうか。 野田佳彦首相はCOP17を受け「気候変動問題に取り組む姿勢は変わらない」とコメントした。ならば京都議定書に踏みとどまり、国際公約である「20年までに25%削減」を目指すべきではないか。 もし第2約束期間に参加せず、自主的な温暖化対策を進めるにしても、政府は25%削減をやり遂げる決意を貫くべきだ。でなければ、日本は温暖化対策から逃げたくて議定書を離脱したとみられ、国際的な信用を失ってしまう。 COP17では、温暖化の被害が顕在化しつつある途上国が強い危機感を表す一方、先進国に後ろ向きの姿勢が目立った。目先の経済的利害に拘泥し、健全な地球環境を次世代に引き継ぐ責務をないがしろにしてはならない。京滋からも声を上げていこう。
[京都新聞 2011年12月13日掲載] |