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来年度予算  財政規律忘れてないか

政府の2012年度予算案の編成作業が本格化している。国家戦略会議は12日に基本方針を決定、中期財政フレームに沿って復興債を除く新規の国債発行額を44兆円以下に抑えることを確認した。
だが、身内の民主党からの歳出圧力は収まらず、焦点である基礎年金国庫負担分の財源をめぐっては将来の消費税増税を当て込んだ「つなぎ国債」発行が取りざたされている。政府債務に市場の厳しい目が注がれる中、どこまで財政規律を維持できるかが問われよう。
12年度予算は概算要求総額が98兆4600億円で、過去最大を更新した。7千億円の特別枠「日本再生重点化措置」への要求が2兆円にも上り、上限のない復興費では3兆5千億円を超えたからだ。
政府は8月に策定した中期財政フレームで、国債の償還費を除く歳出を71兆円以下、新規国債の発行額を44兆円以下に抑える目標を掲げた。税収の大幅な上積みは期待できず、特別会計の積立金や剰余金といった「埋蔵金」にも限界がある。特別会計で別枠管理する復興関係を除外しても、目標の堅持には相当の歳出抑制が必要だ。
それには比重の大きい社会保障の効率化が避けられない。医療や介護の現状に応じて給付にめりはりをつけ、国民に応分の負担を求める必要がある。だが、聞こえてくるのは安易な先送りばかりだ。
民主が政権公約に掲げた看板政策も聖域ではない。自民、公明両党と見直し作業に乗り出したものの、農家への戸別所得補償をめぐる協議は物別れとなり、子ども手当についても難航している。公約を「ばらまき」と批判した野党も含め歳出抑制の覚悟は見えない。
最大の課題は、基礎年金の国庫負担分の財源だ。04年の制度改正で、09年度までに36・5%から50%に引き上げること決めたが、12年度は2兆6千億円が不足する。
税外収入はほとんど枯渇しており、たとえ捻出できても復興財源に優先的に充てるのが筋だろう。
ならどうするか。政府内で浮上しているのが、将来の消費増税分を返済財源とする「つなぎ国債」を発行する案だ。だが、民主党内には消費増税に反発する声が根強く、前提となる関連法案の成立には野党の協力を得る必要もある。
それだけを見ても将来の消費増税が担保される保証は全くない。にもかかわらず、返済原資を当て込むのは皮算用もいいところだ。
実質的には「44兆円以下」を守れず、足元の年金支払いのための負担を将来世代に回すことも財政規律上、望ましいものではない。
国の借金は11年度末には1000兆円を超える見通しだ。だが、政府、与野党の危機感が乏しいのではないか。厳しい現状認識で予算案に向き合ってもらいたい。

[京都新聞 2011年12月14日掲載]

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