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日本相撲協会の公益法人制度改革対策委員会は、年寄名跡(親方株)の個人間の売買を禁止、協会が事実上買い取って一括管理する方針をまとめた。 親方株は、高額でやりとりされてきただけに既得権を失うことになる親方衆の反発は根強いが、協会がめざす公益財団法人に移行するためには避けて通れない。 14日には全親方らで構成する評議員会が開かれる。大相撲の将来を見据え、親方株の協会管理を決断してもらいたい。 力士暴行事件、野球賭博、八百長問題など不祥事が相次ぎ、本場所の開催中止に追い込まれるなど大相撲は信頼を失墜。満員御礼が続いたピーク時の面影はない。 相撲協会の改革は待ったなしなのに動きは鈍かった。 国の公益法人改革とも重なり、対策委員会や第三者機関の独立委員会など外部の力を借りて、ようやく組織改革に着手。財団法人の相撲協会が選択したのは、これまで通り税制の優遇措置を受けられる公益財団法人への道だった。 正式決定ではないものの評議員会も同意している。 そこでネックとなったのが親方株の問題というわけだ。 力士が引退後に親方として協会に残るために必要な資格で、65歳の定年まで給与がもらえる。 売買禁止が原則だが、105株しかなく、億単位の金銭で売買されているのが実情とされる。 「社員、評議員、理事などに特別な利益を与えない」とする新公益認定法に触れるだけではない。弟子を育てたり、協会の運営に携わる親方としての資格の有無より資金調達力が問われるのはいかにも不健全ではないか。 今のところ、株を所有する親方の退職時に協会が退職金に上乗せして「功労金」を払う形が考えられているが、支払う額を一定とするか、算定基準を設けるかなど、細部はまだ詰まっていない。 株を買って間がなく、「紙切れ同然になるのか」と心配する若手親方の気持ちも分からないではない。だが、自分たちで勝手に値段を決めてやってきたのも事実だ。 功労金はいわば救済策。ルール違反だったことに協会の金を使う必要はない、という厳しい声すらある。これ以上の甘えは許されないということだ。 親方株の協会管理は、大相撲改革のほんの一歩にすぎない。 協会の執行機関である理事会や理事を選ぶ評議員会はもとより、部屋制度のあり方や親方の資格、指導法など難題が待ち受ける。 長年の慣行や流儀を変えるのはたやすくない。自己改革には痛みも伴うが、その一歩を踏み出せないようなら、大相撲ファンばかりか国民からも見放されよう。
[京都新聞 2011年12月14日掲載] |