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「原発抜き」の冬  生活見直すきっかけに

暖房などで電力需要が増える冬を迎え、関西電力は19日から来年3月23日までの間の平日、10%以上の節電を求めている。夏に続いての要請だが、背景には関電管内の原発が来春までにすべて停止してしまうという事情がある。
節電は企業活動や家庭生活を制約する要因となりうるが、一方で無駄を見極める好機でもある。省エネの取り組みを、原発に依存しない社会への足がかりにしたい。
関電は福井県内の若狭湾沿岸に11基の原発を持っている。しかし16日に大飯原発2号機が定期検査のために停止し、稼働しているのは高浜原発3号機だけになった。
来年2月20日には、それも定期検査のため停止する予定だ。原発の再稼働が認められなければ、関電管内で稼働する原発はその時点でゼロになる。
このため関電は、寒さがピークを迎える1月下旬から2月上旬にかけ、最大12%の供給力不足に陥る恐れがあるとする。
この予測を受け、経済界に危機感が広がっている。エアコン使用がピークを迎える時間帯への対応で済んだ夏に比べ、冬は電力使用量が多い時間が長い。一時的な方策では対応できないからだ。
JR西日本と私鉄各社は「間引き運転」を真剣に検討している。工場の操業日を変更したり、残業を控える企業もある。ほとんどの官公庁も暖房温度や照明の調整、厚着をする「ウオームビズ」などに取り組む。
家庭での節電も有意義だ。暖房を控えめにし、不要な照明やテレビなどはこまめに消そう。
ただ、健康を損ねては本末転倒だ。特に高齢者や乳幼児、病気の人がいる場合は無理のない範囲にとどめてほしい。
全国を見渡せば、電力10社のうち冬も節電を要請しているのは関電と九州電力(5%以上)だけ。電力供給の約半分を原発に依存してきた関電の特殊性が浮き立つ。
来夏の国のエネルギー基本計画の見直しでは「脱原発依存」が打ち出される見通しだ。関電は原発に頼る供給体制からの転換を検討する時ではないか。
電力会社は、管轄地域へ独占的に電力を供給する特権を持つ半面、安定供給の義務を負っている。使用していない火力発電所の再稼働や企業などが自家発電した電力の買い取りなど、関電は供給確保に全力を尽くしてほしい。
来年4月には、全国に54基ある原発すべてが停止する。45年前に日本で商業用原発が営業運転して以来、初めてのことだ。
原発をどうするのか。これからのエネルギーはどうあるべきか。年末年始、消費電力が少ないこたつで暖まりながら家族で語り合ってほしい。

[京都新聞 2011年12月17日掲載]

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