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消費増税論議  「不退転」の重さ認識を

国民に痛みを伴う増税を理解してもらうには何が必要か。政治家たちの「本気」が問われている。
消費増税をめぐる民主党内の論議が本格化する。社会保障と税の一体改革の中でも、野田佳彦首相が不退転の決意を示す課題だ。
党内では慎重や反対の意見が根強い。首相は21日、党の国会議員に対し消費増税を柱とする一体改革大綱素案の年内策定に協力を求めたが、見通しは厳しい。
議論が進まないのは、首相ら執行部、反対を唱える議員らの双方とも、真剣味が足りないからだ。
国民に負担を求める以上、国会議員や公務員が率先して身を削る覚悟を示さなくては、国民の理解を得ることは難しい。
だが、野田首相らは、国家公務員の給与削減すら先の臨時国会で実現できなかった。東日本大震災後に実施した議員歳費の削減も半年で元に戻してしまった。
一方、増税反対の議員らも、社会保障の将来についてどんな展望を持っているのか明確ではない。
社会保障費は毎年1兆円ずつ膨らんでおり、早急な手当てが必要だ。しかし議員らは、消費増税に頼らずに社会保障を立て直す具体策ひとつ示していない。
こんな状況で、中身のある議論が進むのかどうか心もとない。
首相が「不退転の決意」という以上、実現できなければ政治責任を負うべき重大テーマのはずだ。民主党の全議員は、その重さを再認識して議論に臨んでほしい。
消費増税は2010年代半ばまでに引き上げる方針が決まっている。政府与党は、13年10月に8%に、15年4月に10%に引き上げるスケジュールを描いている。
低所得者ほど税負担が重くなる「逆進性」対策としては、課税額より控除額が大きい低所得者にその差額を現金支給する給付付き税額控除や、食料品など特定品目の消費税率を低くする軽減税率が有効な手段とされている。
これらの対策は、一体改革と同時に策定される税制大綱には盛り込まれず、先送りされる方向という。本来はこうした具体論にこそ時間を割き、国民負担を和らげる方策について議論を深めることが必要だったはずだ。
党内の意見対立による方針決定の遅れは、来年度予算で基礎年金国庫負担分の財源に、まだ決まっていない消費増税分を当て込んだ「年金交付国債」を検討する事態も生じさせている。
社会保障改革に消費増税はやむを得ない、との覚悟なしに、実りある議論は進められない。
小沢一郎元党代表の支持グループが増税反対署名を集め、首相らを揺さぶっている。党内での存在感を誇示することだけが目的なら、社会保障の議論をゆがめる。

[京都新聞 2011年12月22日掲載]

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