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政府と東京電力は、福島第1原発1~4号機の廃炉に向けた中長期の工程表を決めた。 工程表は、使用済み核燃料プールから燃料撤去を始める2年後までの第1期、溶けた燃料を取り出し始める10年後までの第2期、建屋解体を終える30~40年後の第3期に分けている。 政府は先に、原子炉の冷温停止状態を目指した工程表「ステップ2」の完了と事故の収束を宣言した。だが、廃炉まで最長40年を見込む今回の工程表が公表され、これからの長い道のりと難しさをあらためて思い知らされる。 今回の工程表は多くの課題を挙げている。最大の難関は1~3号機の原子炉で溶け落ちた核燃料の回収と、損傷した原子炉格納容器を水で満たす「冠水」だろう。冠水はやはり炉心溶融事故を起こした米スリーマイルアイランド原発でも採用された方法だ。水には放射線をさえぎる効果があるため、安全で確実な作業に欠かせない。 それに向け、ロボットによる遠隔除染や損傷場所の特定、格納容器・圧力容器内部の調査など14項目の技術開発が必要になると例示した。どれも「世界初」の技術だ。多岐にわたる技術開発を前提にした工程表には、不確定要素が多い。 新技術の開発がうまくいかなければ、原子炉を解体できず、コンクリートなどで封印する旧ソ連のチェルノブイリ原発事故型の「石棺」処理に追い込まれる可能性も残る。そうした不安を除くためには、遠隔操作ロボットの開発など、めどのたつ課題を着実に遂行していく必要がある。 工程表は年1回は見直される。それに加え、技術開発の進展や課題の達成度などの情報を随時、国民に開示してほしい。 さらに重要な問題は、回収した核燃料や解体した放射性廃棄物をどこでどう保管・管理するのかを明示できなかったことだ。これなくして、最終的な事故収束とは言えまい。 今後、国内では、運転耐用年数を経過した原発を順次、廃炉にせねばならない。事故収束の工程表だが、そこまで視野に入れて技術開発や方向性が示されなかったのは残念だ。 大きく損壊した複数の原子炉を解体するという前例のない取り組みは、廃炉までに膨大な費用が必要になるだろう。東電の経営問題にまで関わるためか工程表では明記されなかった。 廃炉に向けた中長期の取り組みは、住民の避難解除、帰還に大きく影響するだけに、国の責任は重大だ。技術面でも経費の点でも「東電まかせ」にするようなことがあってはならない。国は責任を自覚し、工程表の達成に力を尽くすべきだ。
[京都新聞 2011年12月23日掲載] |