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細野豪志環境相が、福島第1原発事故の除染に伴って発生する汚染土壌などの中間貯蔵施設を、原発周辺地域の福島県双葉郡に設置したいと県や町に申し出た。 被災地復興の前提となる除染について、政府は市町村ごとにつくる仮置き場に汚染土壌を3年程度保管後、県内に設置する中間貯蔵施設に運び、30年以内に県外で最終処分する方針だ。しかし、長期間放置される懸念などから、仮置き場を確保できたのは福島県59市町村のうち11市町村にとどまる。除染を計画的に進めるために、中間貯蔵施設の設置は急務だ。 原発がある大熊、双葉町をはじめ双葉郡8町村は警戒区域や計画的避難区域に指定され、ほとんどの住民が避難を強いられている。政府は来年4月、避難区域を年間被ばく放射線量に応じて「帰還困難区域」「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」の3区域に再編する。年間20ミリシーベルト未満の準備区域では除染状況を考慮しながら、段階的に解除を進める方針だ。 一方、50ミリシーベルト以上の帰還困難区域は、5年後も居住できる目安となる20ミリシーベルトを下回らないとして、5年間は設定を維持して、原則的に立ち入りを禁止する。 細野環境相は、困難区域の中で通常の除染では線量を下げるのが困難な100ミリシーベルト以上の土地を買い上げたり、借り上げたりして中間貯蔵施設を建設する考えだ。 廃炉までに30~40年かかることを考えれば、困難区域へ住民が帰り、生活できるようになるまでには相当長期間かかる。現実的にやむをえない選択だろう。 ただし、政府が地元に約束した県外での最終処分は現時点で全く見通しが立っていない。できるだけ早期に将来像を示せるよう、調整を進めねばならない。 中間貯蔵施設は3~5平方キロの広さが想定される。地下水の汚染対策はもちろん、周辺環境のモニタリングも万全にしなければならない。放射性物質を分離して汚染土壌の総量を減らす技術の開発にも力を入れるべきだ。 何より重要なのは住民の生活再建だ。困難区域に該当する双葉町、大熊町は集団移転を検討せざるをえず、移転地の確保などに支援が必要だ。東京電力による住民への賠償内容も再検討する余地があろう。 郡内には避難区域の区分で町域が分断される町もある。単純な線引きではなく、町村ごとに丁寧に協議しなければならない。 定期健診などによる住民の健康不安の解消、インフラの再整備、雇用の確保など、住民が日常を取り戻すための課題は山積みだ。政府は、県や市町村の意向を十分くみ取りながら、除染計画と地域再建、生活再建の対策を常にセットにして考えるべきだ。
[京都新聞 2011年12月30日掲載] |