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政府が独立行政法人を統廃合などして、約4割削減する基本方針を閣議決定した。 独法の見直しは、消費税増税の前提として野田佳彦首相が「身を削る改革」の柱として意欲を示している。先の衆院選マニフェスト(政権公約)で、民主党は「全廃を含めた抜本的見直し」を掲げた。改革目標に届かなかったことは明らかで、野田内閣の行政改革への切り込み不足は否定できない。 独法は、国が直接実施する必要はないものの、公共性が高い事業を行うとされ、橋本龍太郎政権時代の2001年に制度ができた。国立美術館や宇宙航空研究開発機構など、現在は102ある。12年度予算案で国から2兆9881億円を支出することになっている。 民間の経営手法導入で業務の効率化が図れると期待されたが、現実には官僚の天下りの温床となってきた。総務省の調査では、同じ中央省庁の出身者が3代以上連続で天下りした法人は25あり、28ポストを独占している。 独法トップの平均年収は1783万円、最高額は2297万円だった。約8万人いる職員の給与も半数以上の独法で国家公務員の給与水準を超えている。公務員制度改革に通じる問題だ。 政府の基本方針では、日本万国博覧会記念機構など4独法を廃止し、七つを民営化、国民生活センターなど三つを国に移管する。さらに、独法の統廃合により、全体の独法を65法人に再編する。 統廃合により、管理部門の人件費や事務費の削減は可能だろう。しかし、再編案を了承した政府の行政刷新会議を率いる岡田克也副総理は、統廃合による歳出削減の規模を明示できなかった。 法人規模の大きい国土交通省所管の都市再生機構(UR)や住宅金融支援機構の扱いを先送りしたほか、原発事故を機に政策仕分けなどで税金の無駄遣いが批判された高速増殖炉「もんじゅ」を運営する日本原子力研究開発機構も手つかずに終わった。 行政刷新会議が昨年秋に行ったヒアリングでは、統廃合に難色を示す独法が続出した。より効率的と思われる複数の所管省庁をまたぐ形の独法統合にも踏み込めなかった。権益を守ろうとする中央省庁の抵抗が背景にあるのは明らかだ。 政府が社会保障と税の一体改革に向けた環境づくりを急ぐあまりの中途半端な改革案になったと言わざるを得ない。 政府は近く、17ある特別会計を11に削減する改革案も閣議決定して、独法改革と併せて「行政構造改革法案」として全体像を今月末に始まる通常国会に提案する運びだ。「国民と痛みを分かち合う」というには、まだまだ政府の努力と熱意が足らない。
[京都新聞 2012年01月21日掲載] |