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京都市長選告示  再対決でも熱い論戦を

 京都市長選が告示され、来月5日の投票日まで2週間にわたる選挙戦がスタートした。
 新人で弁護士の中村和雄氏と現職の門川大作氏が立候補し、4年前に接戦を繰り広げた2人の「再対決」となった。
 政党レベルでは1993年市長選から6回連続の「非共産対共産」という構図だ。しかし、市民の意識レベルをみると、確実に「支持政党なし」が増えている。候補者の訴えがどこまで有権者に届くか、が問われよう。
 全国の注目を集め、高投票率だった大阪ダブル選に比べ、関心がいま一つと言われる。
 確かに派手さはないが、京都市で暮らす市民にとっては、大切な選挙であることに変わりない。これからの市政は生活に直結し、歴史あるまちを未来に受け渡す責任もある。
 有権者にはかけがえのない一票であることを、いま一度かみしめ、論戦に耳を傾けたい。
 中村、門川両氏が掲げるマニフェスト(公約)に似たような政策が並び、争点が見えにくいという指摘がある。しかし吟味すれば違いがあり、その点を両氏は示し、有権者は見極める必要がある。
 たとえば脱原発依存の方向は同じでも、実現への工程や手法は異なる。地元産業の育成や雇用創出、子育て充実、観光振興などの公約を見比べつつ、現実性や将来性にも目を向けたい。
 厳しい財政をどう立て直すか。甘い言葉ではなく、現実を踏まえてきちんと示せるかを、有権者は見ている。
 民主党政権の地域主権改革は一向に進まず、これからの自治体のあるべき姿は首長が主体的に描いくべきだ。橋下徹大阪市長の「大阪都構想」に対して、門川氏は府と同等の「特別自治市」を見据えるが、中村氏は府内を分断するとして反対する。選挙は議論を深めるいい機会だ。
 政治が停滞する中で、元気な首長に注目が集まっている。自治体を動かすリーダーシップや実行力、マネージメント力が期待されているのだ。東日本大震災の被災自治体では、首長の行動力や情報発信力によって支援や復旧に差が出たとも聞く。災害時に陣頭指揮する首長の力量も、選挙の投票判断の一つになる時代ではないだろうか。
 他のまちの首長以上に、京都市長に求められるのは、この歴史文化都市のまちづくりのビジョンだ。百年の計で語ることができ、市民と共有する発信力がほしい。
 社会全体を覆う閉塞感(へいそくかん)を突破できるのは、創意工夫が可能な地域の力とも言われる。京都市長選で突破への議論を聞きたい。有権者は投票で後押しをしよう。

[京都新聞 2012年01月23日掲載]

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