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国会論戦始まる  理解できない政局優先

 年が改まり、新しい国会が始まっても、与野党対立の構図は変わりそうにない。
 野田佳彦首相の施政方針演説に対する各党代表質問が始まった。最初に質問に立った自民党の谷垣禎一総裁は、野田首相がこの国会で実現に意欲を燃やす消費増税を含む社会保障と税の一体改革についての民主党との協議を真っ向から拒絶し、早期の衆議院の解散と総選挙を求めた。
 谷垣総裁はさらに、2009年の衆院選の際に野田首相がマスコミの候補者アンケートに「任期中の4年間に消費税を上げることに反対」と回答している点などを突き、「マニフェスト(政権公約)に書いていないことをやる前に過ちを認め、国民にわびるべき」とただした。
 消費増税をめぐり、民主党の与野党協議要請と、マニフェスト違反を理由にした自民党の解散要求は、昨年からずっと続く水掛け論だ。この国会でも、政局を優先した国民不在の応酬が続くことは理解できない。
 通常国会の会期は6月21日までに決まっている。震災復興を支える第4次補正予算案、3月2日までに衆院を通過しない場合は4月からの予算執行に空白が生じる新年度予算案のほか、前国会から積み残した重要法案も多い。何といっても、国民の最大の関心は消費税問題だ。
 国会は代表質問以降の審議日程がまだ決まっていない。消費税国会だから、荒れていいというのだろうか。大きな税負担を求められる国民向けに、対立を描き出すための演出なら御免こうむりたい。
 国民が聞きたいのは、増税の中身であり、その使い道となる将来の福祉の姿であり、増税が決まる過程の政治家の具体的な議論だ。
 この点で、増税法案はまず内閣で閣議決定し、法案として国会で審議するという自民党などの主張に一理あると考える。法案提出に先行する与野党協議では限られた政党だけの「密室協議」になる恐れがあり、開かれた議論とはほど遠いからだ。
 必要な場合は、与野党の参加を得て協議機関で議論すればいい。一問一答形式で行われている予算委員会のような質疑のやり方では議論の深まりは期待できない。議論の方法にも工夫がほしい。
 現在は、自民、公明両党だけが加わる党首討論に、他の野党を加えることも提案しておきたい。討論の展開次第では各党の主張や対立点が明確になり、国民にも分かりやすい。
 「政局より大局」「決められない政治からの脱却」。野田首相が施政方針演説で強く訴えた方向性に異論はない。あとは、この国会でどう実行するかだ。

[京都新聞 2012年01月27日掲載]

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