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沖縄防衛局長  「民意に介入」許されぬ

 米軍普天間飛行場がある沖縄県宜野湾市の市長選をめぐり、防衛省沖縄防衛局が職員や親族の有権者リストを作り、真部朗局長が選挙介入と取られかねない「講話」を行っていた問題が発覚した。
 内容次第では、国家公務員の地位を利用した選挙運動を禁じる公職選挙法や、職員の政治的中立を定めた自衛隊法に抵触する。防衛省は調査の上、国会で一部の事実を認めた。引き続き詳細な調査を行い、関係者の処分を含め厳正に対処すべきだ。
 講話は1月23、24日に計2回、それぞれ10分程度、沖縄防衛局で行われ、リストアップした80人のうち計68人が参加した。
 報告によると、真部局長は、今月5日告示、12日投開票の宜野湾市長選について、報道内容を引用する形で候補者2人を紹介した。「市民の民意が重要であることや、選挙権を行使すべきことを述べた」と説明しているという。
 防衛省は「特定候補者を支持するような内容は確認されなかった」としている。
 しかし、市長選には、普天間飛行場の「県内移設」に一貫して反対してきた人や、かつて条件付きで名護市辺野古への移設を容認していた人が立候補を予定し、接戦が予想されている。
 「特定候補を支持しなくても、防衛局職員の受け止めようで、選挙に影響が出る」と問題視する指摘には説得力がある。
 真部局長は以前、名護市の選挙に関しても同様の講話を行っていたことを明らかにしている。
 他にも疑わしい行為がなかったか、防衛局の組織、体質に問題はないのか徹底的な調査が必要だ。
 沖縄防衛局は、田中聡前局長が昨年11月、辺野古の環境影響評価(アセスメント)の評価書提出をめぐって県民感情を踏みにじるような発言をして更迭されている。
 後任となった真部局長は2008年1月から11年8月まで沖縄防衛局長を務めており、異例の再登板だった。地元事情に詳しく仲井真弘多知事ら沖縄県側との関係修復を期待されての起用という。
 だが、環境影響評価書を昨年末の未明、県庁守衛室に自ら立ち会って搬入するなど、沖縄県民の感情を逆なでした。
 県議会や名護市、県民の反対が根強く、手詰まり状態にある普天間移設問題の混迷を解くには、まず沖縄県民の基地負担の痛みと、負担軽減を求める意思を理解するところから始めねばならない。選挙という仕組みで示される市民の意思に正面から向き合ことが大前提だ。
 辺野古移設という「日米合意」に固執し、沖縄の民意を都合のよい方向に誘導するかにも見える姑息な行為は、かえって県民全体の不信感を増幅させるだけだ。

[京都新聞 2012年02月02日掲載]

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